MONET、長崎県五島市で医療MaaSの取り組み--離島に合ったモデル構築へ

　MONET Technologiesは、長崎県五島市が1月23日から福江島で実施する医療MaaSの取り組みに協力する。同社が離島での医療MaaSに取り組むのは、今回が初になるという。

　五島市では、高齢化や医師不足、移動サービスの確保などの課題を抱えており、通院が難しい高齢の患者への医療サービスの提供や、医師の業務効率化が求められている。

　そこで、同社の医療機器などを搭載した「マルチタスク車両」1台を導入。車両で看護師が患者の自宅付近へ向かい、病院にいる医師がテレビ会議システムを通して車内でオンライン診療を行う医療MaaSの取り組みを開始することになったという。

　なお、同取り組みでは、血圧計やパルスオキシメーターなどのバイタル測定を行う医療機器に加え、分娩監視装置やポータブルエコー、糖尿病分析装置などを車両に搭載。さまざまな疾患の検査・診断に対応する。また、糖尿病患者には、栄養士による栄養指導も行う予定。

　同社では、運行に関する全体の調整を支援するほか、医療機関向けの予約システムやドライバー向けアプリ、管理者向けの運行管理システムなどを提供する。同システムを活用することで、複数の医療機関が車両を共有して効率的な運行が実現できるという。

　将来的には、五島市の最大の島である福江島だけでなく、移動診療車が周辺の奈留島や久賀島を巡回するモデルを検討するなど、離島に合った医療MaaSモデルの構築に向けて取り組みを進めていく予定。

　また両者は、医療MaaSの運行により、患者の治療継続をサポートして重篤化を防止するとともに、医師の業務を効率化し、持続可能な医療体制を構築することを目指す。

　加えて、同社は五島市での取り組みをモデルにして、同様の課題を抱える全国各地の離島に医療MaaSを展開し、地域の課題解決に向けて取り組んでいくという。