英消費者団体「Which?」は、多くのスマート機器のサポート保証期間が製品寿命と釣り合っていないため、消費者は購入時に十分注意する必要があると警告している。
同団体の指摘によると、洗濯機、食洗機、テレビなどの家電製品は10年ほど機能を保つことが想定されているのに、スマート家電を手がける大手メーカーの中には2年間のソフトウェアアップデートしか保証していない企業もある。保証期間を過ぎると、スマート家電の特徴や機能が失われ、セキュリティが脆弱になる可能性があるという。
Which?は、家電製品の寿命について、テレビが6.8年、洗濯機が11年、食洗機が13年と推定している。また、スマート食洗機の推定平均価格は746ポンド(約11万8000円)で、従来の食洗機の455ポンド(約7万2000円)より300ポンド(約5万円)ほど高額だとしている。
同団体によると、LGのスマートテレビと洗濯機のサポート保証期間は、販売時からではなく、発売から2年間になっているという。これに対し、LGは、テレビの場合は「発売から最大5年間」ファームウェアのセキュリティアップデートでサポートされると述べた。
サムスンは、自社製テレビについて発売後3年間のアップデートを保証していると報告。英国で最近改正された製品安全および電気通信基盤法(Product Security and Telecommunications Infrastructure Act)については認識しており、順守すると述べた。同法は、メーカーがインターネットに接続された家電製品のサポートを保証する期間を明記していないものの、製品がソフトウェアアップデートを受けられる期間について、メーカーはより透明で率直であるべきだとしている。
欧州委員会が2022年9月に概要を発表したサイバーレジリエンス法案は、より具体的に規範を示す内容になっている。可決されれば、コネクテッドデバイスメーカーに対し、製品寿命または5年間のいずれか短い期間、セキュリティ脆弱性に確実に対処するよう求めることになる。
Which?は、欧州の家電メーカー数社と中国のハイセンスが、製品の想定使用期間と比較してサポート保証期間が適切だと評価している。
ハイセンスは、スマートテレビについては発売から10年、スマート食洗機とスマート洗濯機については製品の生産終了から8年間のサポートを保証している。
ドイツに本拠を置くBosch、NEFF、Siemensの3社は、スマート食洗機とスマート洗濯機について、発売から10年間のサポートを保証している。同じくドイツのMieleは、スマート洗濯機およびスマート食洗機の生産終了から10年間のサポートを保証している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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