アフリカ向け農業関連事業を手がけるDegas、10億円を調達--脱炭素事業へ進出

 サブサハラアフリカ(アフリカのサハラ砂漠以南地域)の小規模農家向けのDX促進などを事業とするDegas(デガス)は1月13日、第三者割当増資により総額約10億円の資金調達を実施したと発表した。

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 サブサハラアフリカの農家のヘクタールあたりの年間収穫量は、世界平均の35%という低い生産性にあるという。

 ガーナを中心とする小規模農家約1万5000軒が参画するネットワーク「Degas Farmer Network」などを提供する同社は、その低い生産性を改善して所得水準を向上させるべく、テクノロジーを使った“農家ファイナンス”事業を実施。高品質な農業資材の提供から営農指導、集荷、貯蔵、販売を一気通貫で提供し、国内最高品質、最大量のトウモロコシを生産。同国、同大陸の食糧自給率の向上に貢献しているという。

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 同社によると、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2022年4月のレポートは、パリ協定目標(気温上昇を1.5度に抑えること)の達成には、温室効果ガス排出を削減することは絶対的に重要だが、同時に膨大な量の炭素を除去することも必要不可欠であると強調しているという。

 そこでDegasは、今回の資金調達を機に、リジェネラティブ農業(環境再生型農業)とバイオ炭の施用を通じた二酸化炭素の吸収、それに伴うカーボンクレジットの創出という脱炭素事業に進出することを決定。過去三年間で培ってきた農家ネットワークと、オンライン上で管理されたデータ、農業手法、テクノロジー、オペレーションエクセレンスを最大限活用できる新規事業になるという。

 膨大な農地を抱えるアフリカ農業と農家を通じた二酸化炭素の吸収による脱炭素事業へ進出することで、アフリカ最大のカーボンクレジット創出を目指す。気候変動の緩和に貢献しながら、カーボンファイナンスを通じた農家の所得向上に取り組むとしている。

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