パナソニックは1月5日、フルサイズセンサー搭載の新型ミラーレスカメラとして、「DC-S5II」と「DC-S5IIX」を発表した。S5IIは2月16日、S5IIXは6月下旬に発売する。
両モデルは、2020年に発売された「DC-S5」の後継となるモデル。S5IIはハイアマチュアやクリエイターを、S5IIXはワンマンオペレーションの映像クリエイターをターゲットとしている。
S5IIは、S5比で演算性能が約2倍、バッファメモリが約4倍の新「ヴィーナスエンジン」と、新開発した約2420万画素のイメージセンサーを搭載。基幹デバイスの刷新により、撮影機能全般を進化させた。
AF機能では、LUMIXで初めて像面位相差AFを採用。動体追従や低輝度など、従来製品で採用していたコントラストAFでは苦手としていた環境で、AF性能を大幅に向上した。測距点は779点を配置し、イメージセンサーの撮像領域ほぼ全域をカバーする。また、手ブレ補正機能として、新たに「アクティブI.S.」を開発。従来比で約200%の補正性能向上を実現し、歩き撮り時などで滑らかな映像の撮影を可能とする。
新エンジンと新センサーの搭載により、静止画、動画の双方において、撮影性能の向上も実現している。
静止画では、繊細な階調表現を実現。メカシャッター使用時は秒間最大9コマの連写に対応するほか、電子シャッター使用時には秒間最大30コマのRAW連写が可能となる。また、ローリングシャッターの抑制も配慮する。
動画では、C4K 60p/50p 4:2:2 10bitなど、高画質動画の無制限記録を実現。3Dノイズリダクションも進化した。加えて、カメラ内でLUT(Look Up Table)記録が可能な「リアルタイムLUT」を、静止画と動画の双方で対応。市販されているLUTや、自作したLUTの読み込みにも対応するという。
ボディは防塵防滴対応のマグネシウム製。動画撮影時の熱対応として、レンズマウント上や軍艦部の側面に、冷却用の吸排気口を配置する。UHS-IIに対応したデュアルSDカードスロット、HDMI Type A端子を搭載するほか、USB PDによる充電、給電に対応。背面のジョイスティックは、従来の4方向から8方向に変更した。背面モニターは、184万ドットのフリーアングルモニターを搭載。LVFは、従来よりも高精細となる368万ドットのOLEDファインダーを採用する。また、グリップ形状を改善したほか、動画撮影時にノイズとなる接触音防止のため、ストラップの三角環は廃止している。
S5IIXは、S5IIの上位版となる機種だ。基本性能はS5IIと同等ながら、主に動画性能を強化している。
動画撮影機能では、S5IIでは有料オプションとなる動画RAWデータ出力に標準で対応。USB-SSD記録、ALL-Intra動画記録、ProRes動画記録にも対応する。また、ライブ配信での使用に配慮し、無線および有線でのIPストリーミング、USBテザリングに対応。撮影時のギラつきを抑えるため、ボディデザインはブラック基調としている。
市場想定価格は、S5IIのボディ本体が税込24万8000円前後、20-60mmのレンズがセットのレンズキットが税込28万1000円前後、同レンズおよび50mm単焦点レンズがセットのWレンズキットが税込30万円前後を予定。S5IIXは、ボディ本体が税込27万4000円前後、20-60mmのレンズがセットのレンズキットが税込30万6000円前後、同レンズおよび50mm単焦点レンズがセットのWレンズキットが税込33万4000円前後を予定する。
両製品とも、予約購入者向けのキャッシュバックキャンペーンを実施予定。S5IIは、ボディで2万円、レンズキットで2万5000円、Wレンズキットで3万円、S5IIXでは、ボディで2万5000円、レンズキットで3万円、Wレンズキットで3万5000円をキャッシュバック。さらに予備バッテリー1個が付属するという。
同社はあわせて、新レンズとして「LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACRO」を発表した。超広角やハーフマクロの撮影に対応する小型軽量レンズで、フリージングの抑制や鏡胴全長固定など、動画撮影に配慮している。同レンズの発売により、既存の20-60mm、70-300mmとあわせ、超広角から超望遠までをレンズ3本でカバーできるとしている。14-28mmの希望小売価格は、税込10万7800円としている。
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