パナソニック、小型化したフルサイズミラーレス「LUMIX S5」--4K60p対応で税別24万円

 パナソニックは9月3日、フルサイズセンサーを搭載した新型ミラーレスカメラ「LUMIX DC-S5」を発表した。本体価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は税別24万円前後、20-60mmをカバーする「S-R2060」付属のレンズキットは税別28万円前後を予定している。

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「LUMIX S5」

 同社では、フルサイズミラーレスカメラとして「DC-S1」「DC-S1R」「DC-S1H」を投入しているが、S1シリーズの要素を取り入れつつ、同社のマイクロフォーサーズ機「DC-GH5」と同等のボディサイズを実現。S1シリーズは、他のフルサイズミラーレスカメラと比べると大型なボディを採用していたが、S5で同水準まで小型化された。今回、クリエイターをターゲットユーザーに設定しており、4K60pの動画撮影、バリアングル液晶の採用など、動画ユースで扱いやすくなっている。20-60mmのレンズキットも、Vlogを含めた動画クリエイターに向けたものと思われる。クラスとしては、キヤノンのEOS R6やソニーのα7 IIIが競合になりそうだ。

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マイクロフォーサーズ機「LUMIX GH5」と同等サイズ

 センサーは、S1と同じローパスフィルターレスの約2420万画素CMOSセンサーを採用。対応ISOは100-51200で、拡張で50-204800までサポートする。1画素ごとに「低ISO感度回路」と「低ノイズ・高ISO感度回路」の2系統を用意しており、感度に応じて自動で切り換える「デュアルネイティブISOテクノロジー」に対応。高感度時でもノイズを抑えた撮影が可能だ。映像エンジンも、最新世代のヴィーナスエンジンを搭載。5軸5段のボディ内手振れ補正を内蔵しており、レンズ側の手ブレ補正ユニットと協調動作する「Dual I.S. 2」により、最大6.5段の補正効果を実現する。

 AFには、ディープラーニングを活用した「リアルタイム認識AF」アルゴリズムを採用。人体の「頭部認識」を追加し、人物に対するAF追従性能を強化。動き続けたり、複数の被写体が映るシーンでもメインの被写体にフォーカスし続けるほか、人物の顔が隠れてしまうようなシーンでも、頭部と人体の位置やサイズ、画角により撮影意図をカメラが自動で判別し、背景抜けを抑えながらフォーカスし続けるという。また、人の顔と瞳を検知する「顔・瞳認識AF」も「頭部認識」により、遠くの小さな顔も認識し続けることが可能。動物認識にも対応する。

 ボディは、マグネシウム合金フレームを採用したほか、防塵・防滴設計としており、堅牢性を確保。シャッターユニットは、新開発の小型フォーカルプレーン式ユニットを採用。最大1/8000秒の撮影に対応する。また、236万ドットのOLEDファインダーに加え、3.0型184万ドットのタッチ対応液晶パネルを採用。SDカードスロットは2スロットあり、片方はUHS-IIをサポートする。そのほか、USB充電も可能だ。重さは、本体のみで630g、バッテリーとSDカード1枚を含んだ状態で約714gと、S1と比べて300gほどの軽量化を実現した。

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バリアングル液晶を搭載

 ボディ内手ブレ補正を生かして、センサーをシフトさせながら8回連続で自動撮影することで9600万画素の静止画を生成するハイレゾモードを搭載。今回、新たにJPEG撮影やカメラ内現像も可能になった。さらに、明るい部分のみを合成することで、星の軌跡をたどった撮影ができるライブビューコンポジットに対応する。フォトスタイルも9つのカラーと3つのモノクロームモードを搭載。2020年内のファームウェアアップデートにより、「L.モノクロームS」や「L.クラシックネオ」が追加されるという。

 そのほか、PCにつないでウェブカメラとして使える「LUMIX Webcam Software」に対応。レンズラインアップも拡充予定で、70-300mm F4.5-5.6や、大口径単焦点シリーズとして24mm、35mm、50mm、85mmを開発中という。S1/S1R/S1Hにもファームウェアアップデートを提供予定としており、S5と同等のAF性能に強化されるほか、S1Rは5K動画記録にも対応する。ファームウェア公開は2020年内を予定している。

4K60p 4:2:0 10bit内部記録に対応、放熱にも配慮した設計

 動画性能は、4K60p(4:2:0 10bit)のほか、4K30pであれば4:2:2 10bitでの内部記録に対応。30分の記録制限が設けられているが、4K30p 4:2:0 8bitとフルHDであれば、無制限記録に対応する。また、VARICAMと同水準のダイナミックレンジや高色域を実現する、14+ストップのV-Log/V-Gamutに対応。GH5やGH5S、S1Hなどで撮影した映像でも、統一のルックでカラーをそろえることができる。V-Log撮影時に、LUT適用後の映像をファインダーやモニターに表示することも可能だ。

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対応する動画モード一覧

 熱シミュレーション技術に基づく放熱システム設計と、GH5やS1Hで培った放熱ノウハウ、ヴィーナスエンジンの省電力化を実現することで、4K60pの撮影時でもきっちり30分撮影できる放熱性能を確保。記録停止後もすぐに撮影を再開できるとしている。APS-Cクロップや4:3アスペクトのアナモフィックレンズに対応したモードのほか、スロー&クイックモードもモードダイヤルに搭載。AF追従しながら、4K24pで約2.5倍スロー、4K30pで約30倍クイック(1fps)の動画記録を選択できる。さらに、フルHDでは24pでAF追従しながらの5倍スロー(120fps)、MFであれば最大7.5倍スロー(180fps)も撮影できる。

 さらに、HLG動画撮影、Rec.709相当のガンマカーブ、高輝度部分を圧縮して白飛びを抑える「709ライク&ニー設定」、カラーグレーディングなしにVARICAMの絵作りを再現するシネライクD2/V2、4K60pのインターバル撮影に対応。S1Hで導入された動画撮影アシスト機能も採用しており、タイムコード記録や、トリミング予定のアスペクト比でフレームを表示する機能、動画の縦位置判定、動画記録時の赤枠表示などが利用可能だ。

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