米連邦政府がElon Musk氏の新興企業Neuralinkについて、動物福祉違反の疑いがあるとして調査しているという。Reutersが米国時間11月5日に報じた。動物実験を急ぐあまり、動物に不必要な苦痛や死をもたらしていると従業員が申し立てているという。
Musk氏は、人間の脳とコンピューターをつなぐことを目指して、2016年にNeuralinkを設立した。同社は、目の不自由な人の視覚支援や麻痺(まひ)がある人の歩行支援を目的とした、脳に埋め込み可能なチップを開発してきた。
Reutersによると、米農務省の監察総監が開始した調査は、研究者が動物を用いた治療や実験をどのように行うべきかを定めた動物福祉法に焦点を当てている。
開発を加速させるという同氏の目標によって、慎重さに欠ける実験を行った結果、動物に不必要な損傷を与え、死に至る実験動物の数が増加したという。動物の不必要な死は、実験が繰り返されたり、準備不足であったりしたためだと、Reutersは報じている。
また、同社は2018年以降、合計1500匹の動物を死なせているという。これは、同社による記録が不正確であるため正しい推定値ではないが、280以上のヒツジ、ブタ、サルが含まれているようだ。
死なせた動物の大半はラットとマウスだとみられる。世界中の基礎科学研究では、これらの動物が病気の実験モデルとして使われている。
同社は11月30日に開催した「Show and Tell」イベントで、人間の臨床試験の申請書類を米食品医薬品局(FDA)に提出済みで、6カ月以内の開始を目指すと述べていた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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