Elon Musk氏率いるSpaceXは、ブロードバンドインターネット「Starlink」のための第2世代(Gen2)の衛星をさらに7500基打ち上げる計画について、米連邦通信委員会(FCC)の承認を得た。
同社は、地球低軌道に配備した新しい大規模コンステレーションに2万9988基の衛星を追加することを提案しており、7500基はそのおよそ4分の1に相当する。
FCCは残り2万2000基超の衛星については判断を保留した。また、KuバンドとKaバンドの周波数帯を使用することを許可したが、同社が提案していたEバンドの周波数帯と追跡ビーコンの使用については判断を保留した。
FCCは以前、Vバンドを使用して7500基超の衛星を配備することをSpaceXに許可しており、今回の新しい許可は、基本的にこれに代わるものだ。
「つまり、本日の措置により、SpaceXに配備が許可される衛星の総数が増えることはなく、実際のところ、SpaceXが他の周波数帯に配備する可能性があった衛星の総数と比べると、少し減少している」(FCC)
それでも今回の承認は、軌道上をこれまでよりもはるかに混雑させる同社の計画をあらためて認めるものだ。米科学者団体「憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists)」によると、4月30日時点で5465基の衛星が軌道上で運用されていたという。これには、この時点で企業、国、組織によって運用されていたすべての衛星が含まれる。
その後、SpaceXによって1000基以上が追加され、今回の承認により、その総数はさらに2倍以上に増えることになる。
複数の科学組織が近年、地球低軌道にある多数の衛星が天文観測に干渉する恐れや、宇宙飛行士による軌道上でのオペレーションや他の衛星に対する潜在的脅威になる恐れについて、懸念を表明している。
SpaceXはそうした懸念に対し、衛星を計画的に軌道から退出させることや、特殊コーティングや技術的改良によって衛星の反射率を抑えることを約束している。
FCCによる新たな命令が今後発行されないとすれば、今回の承認は基本的に、Starlinkによる2031年までの定期的かつ頻繁な打ち上げを認めるものだ。今回新たに承認される衛星のうち、半数は6年以内、残り半数は2031年12月1日までに運用を開始することが求められる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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