TXP Medicalは12月7日、製薬企業向けに全国の中核病院における全診療科・全患者の時系列医療データを構造化したデータベースサービスの提供を開始したと発表した。
⾼度な医療を提供する中核病院を対象に、診療科横断的に多項⽬のデータを標準化して提供できるサービスは国内初という。
同社は、現役の救急集中治療医が⽴ち上げたスタートアップ。2017年より急性期医療プラットフォーム「NEXT Stage ER」を全国各地の中核病院に提供しており、救命救急センターを有する大学病院セグメントでは、30%以上(2022年11月時点)のシェアがあるという。
救急車と病院間など、救急医療における情報連携はアナログで非効率なことが多く、また病院内でもデータの蓄積や利活用などに課題があった。そうした中で、NEXT Stage ERと救急隊向け情報入力・情報共有支援システム「NSER mobile」とを連動し、患者の救急搬送時のデータ(コミュニティデータ)を蓄積している。
救急搬送者は年間約600万人。全診療科の患者を対象としてNEXT Stageシリーズで急性期医療を効率化するとともに、医療情報を構造データ化する。具体的には、DPCデータ(医療費算定用データ)、検査値データ、救急搬送/救急外来データを同社が病院より構築を受託して統合し、医学研究用DWH(データウェアハウス)としても用いる。
従来は病院ごとに異なるデータレイアウトのDWHを配備していることが多く、病院を横断したデータ解析が困難となっていたが、検査値データを標準化することで臨床研究に活用・応用しやすいのが特徴。
製薬企業などに向け、同DWHを使用したリアルワールドデータ解析サービスとして提供することで、急性期・がん・指定難病・希少疾患などを対象とした臨床研究や多施設共同研究などに貢献できるとしている。
なお、すでに製薬企業より同データベースを利用した臨床研究案件を受注し、プロジェクトが推進中だという。今後は、さらに広く当該サービスを製薬企業に提供し、リアルワールドデータを活用した臨床研究の活性化につなげて、患者に還元可能な研究成果を創出するとしている。
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