Archer Aviationの黒とグレーの艶やかな4人乗り電動航空機「Midnight」が、早ければ2025年に、マンハッタンの中心街とニュージャージー州ニューアークにあるリバティー国際空港の間を、乗客を乗せて往復運航を開始するかもしれない。同社が米国時間11月17日に発表した。
Midnightの利用料金は、10分間の飛行で1回100ドル(約1万4000円)だ。この10分が、航空機産業に劇的な変革をもたらす最初の一歩となる可能性を秘めている。
電動垂直離着陸機(eVTOL)と呼ばれる新型航空機を開発している企業は数社あるが、サンホセを拠点とするArcher Aviationはその中の1社だ。eVTOLは、ドローンに使われているのと同じ電気モーターやバッテリー、コンピューター制御のプロペラを使っているが、人を運べるほど大型で、連邦航空局(FAA)の安全性試験に合格しなければならない。
Archer AviationのeVTOLは、飛行中は中型航空機のように見える。翼長は48フィート(約15m)で、12基のプロペラ(前に6基、後縁に6基)を備えている。Midnightは、12基のプロペラすべてを上に向けてヘリコプターのように垂直に離着陸する。水平飛行する場合は、翼の前部にある6基のプロペラが前を向く。翼からの揚力で効率がアップし、約2900kgのMidnightで約450kgのペイロードと連続約32kmの航続距離を可能にする。
従業員約200人のArcher Aviationが掲げるビジョンは、都市輸送の大改革だ。第一目標は、空飛ぶタクシーによる空港までの移動と、あえて控えめにしている。だが、それがいずれは、再生可能エネルギーを利用した電動航空機が、乗客を乗せて行き来する未来につながる可能性もある。従来型の航空機は、排出する二酸化炭素が気候変動を抑制する上で問題となっているが、こうした未来が実現できれば、問題解決に役立つだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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