壁に設置されたコンセントや天井照明をつけるスイッチなど配線器具は、パナソニックの創業の商品であるアタッチメントプラグや2灯用クラスタなどの流れをくむ製品だ。現在これらを製造しているのが、三重県にあるパナソニック エレクトリックワークス(EW)社の津工場だ。今回、津工場の配線製造ラインの説明会と2022年開設した配線器具のショールーム「Trust Factory TSU(トラストファクトリー ツ)」の見学会に参加した。
津工場は1943年に松下航空工業津兵器製作所としてスタートし、1945年より、松下電工として配線器具事業を開始している。現在は、約1万品番のアイテムを製造しており、総数約1800名の従業員が働く。配線機器開発と製造のマザー工場として、国内向け製品の製造や、海外向け商品の企画開発や製造体制構築、人材育成を行っている
津工場に入ってすぐのところにあるのが、4月に、リニューアルオープンした「Trust Factory TSU」だ。基本的には法人顧客向けで一般公開されていない空間を今回特別に見せてもらった。
内部は大きく、歴史エリアや現行商品の住宅ソリューション紹介エリア、そして津工場や技術の紹介エリアに分かれている。
歴史エリアはパナソニック創業期の大正~昭和初期の「電灯器具時代」から始まり、昭和初期「第1次電化ブーム時代」、昭和中期「第2次電化ブーム時代」、平成の「情報化時代の到来」に続く。
それぞれの時代の生活を模したモデルルームを用意し、当時の生活を垣間見られるようになっていた。面白いのは家電だけでなく、配線器具やスイッチ類、壁の中の配線などについてもしっかりと解説されていること。
また、歴史エリアの展示コーナーには電灯用に配線された照明ソケットを分岐するアタッチメントプラグなど、さまざまなプラグ、コンセントなどが並んでいた。
そして続く住宅ソリューションのエリアでは最新のスイッチや配線器具を展示。センサーによる自動、タッチレスで制御ができる機器が並ぶ。
続いて非住宅向けのソリューションでは卓上の配線をすっきりまとめてくれるDC電源用の配線ダクトや、無線でオフィスや店舗、工場などの制御ができる無線調光シリーズなどが展示されていた。
このほか、配線器具を背面から確認できる場所や世界各国のスイッチパネルを一覧できるエリア、津工場の持つ技術の紹介コーナーなども用意されていた。
最後に工場の配線器具の製造ラインを見学した。入って驚くのがほとんどの製造ラインが無人化していること。配線器具製造棟は、1階が金属加工、2、3階が自動組立、4階が成形加工に分かれており、1階と4階で作られた部品が2、3階に集められ、組み立て、梱包、そして出荷までが行われる流れとなっている。
このように津工場では金型からの部品づくり、加工、製品の組立までを、一貫体制で内製化している。このことで高品質なものづくりを実現しているという。さらにはさらに、関連部門が商品開発の初期段階から緊密に連携することにより、開発期間の短縮や品質の向上を実現している。そうして、時代やニーズに合った様々な配線器具を生み出しているのだ。
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