もし人類最大のSF的な夢が現実となり、地球外知的生命体が地球とコンタクトをとることになったら、どうなるのだろうか。この難問に答える取り組みに、ある科学者グループが正式に着手しようとしている。
英国のセント・アンドリューズ大学は先週、国際的な専門家チームを集め、人類が宇宙人と接触する準備を整えるための新たな研究ハブの創設を発表した。このSETI Post-Detection Hubは、地球外知的生命体を発見した場合に、「人類が責任を持って対応できるようにするための影響評価、プロトコル、手順、および条約」の枠組みを構築するという。なお、SETIは「Search for Extra-Terrestrial Intelligence(地球外知的生命体探査)」の略だ。
セント・アンドリューズ大学のSETI専門家John Elliott氏がコーディネーターを務めるこのプロジェクトには、自然科学と人文科学、両分野の専門家が協力する。メッセージの解読から宇宙法、発見を一般の人々に伝える方法まで、さまざまなトピックについて調査する。
知的生命体の発見は、宇宙人がひょっこりわれわれの惑星を訪ねてくるような、分かりやすいものではないかもしれない。むしろ発見するには、遠くの通信信号を分析し、解釈する必要が生じるだろう。これまでのところ、SETIの取り組みは空振りに終わっている。例えば2020年、オーストラリアにある望遠鏡を使って1000万以上の恒星をスキャンし、宇宙人の技術の痕跡を探す調査が行われたが、何も発見されなかった。
SETI Post-Detection Hubは、地球外生命が発見された場合に、人類がとりうる対応についての議論の空白を埋めたいと考えている。地球外生命の探査を目的とする非営利の研究団体SETI Instituteは以前に、「Declaration of Principles Concerning the Conduct of the Search for Extraterrestrial Intelligence(地球外知的生命体の探査実施に関する諸原則の宣言)」を発表している。この文書は、SETIにおける透明性と国際協力を約束するものだ。一方、新たな研究ハブは、コンタクトに関するより包括的で詳細なプロトコルの策定を目指す。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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