10月の後半に発売された「Meta Quest Pro」は、現行の「Meta Quest 2」からハードウェア面も機能面も大幅にアップグレードされた複合現実(MR)ヘッドセットだ。
表情トラッキングやアイトラッキングからカラーパススルーまで備えたQuest Proは、Meta(旧Facebook)がこれまでにリリースした中でも最も強力なヘッドセットだ。これほどの機能強化となると安くは済まず、定価は1499.99ドル(22万6800円)と、Quest 2のほぼ3倍になっている。
ただし、この新しい仮想現実(VR)ヘッドセットは、よりニッチな市場を狙ったものであり、Quest 2の直接的な後継機というわけではない。実際、Quest Proより消費者にやさしい「Quest 3」が、2023年に登場する見込みだ。
Quest 2は、メタバースで人と交流したり、テレビゲームを楽しんだり、さらには運動をしたりしたいと考える人に向けたVRヘッドセットだ。携帯型のテレビゲーム機と同様、コンピューターに接続することなく、どこにでも持ち運ぶことができる。
Quest Proは、Quest 2と同等の機能はもちろんのこと、それ以上の性能を備えている。フロントカメラがよりクリアになってカラーパススルーも採用されたため、MRの体験が、いかんなく発揮される。その中で、現実の物理空間に3Dのビジュアルを重ねられる。MRを使って、他の人のアバターを自分の生活空間に招待することもできるし、デスク上に開いた複数のブラウザーやウィンドウを切り替えて扱うこともできる。
しかし、対象ユーザーは大きく異なる。Quest Proは、ゲーミングというより、Metaが、専門性の高いメタバースと呼んでいるものを推進することに主眼を置いていることに加えて、VRおよび拡張現実(AR)用のアプリやエクスペリエンスを構築しようとする開発者にも訴求する。
Quest Proのヘッドセットは、額に当たるクッションのおかげで装着感が向上しているうえに、Quest 2のようにヘッドセットのせいで髪が乱れることは少なくなりそうだ。Quest 2より若干重くなったものの、ヘッドセットの後部にあるカーブ状のバッテリーによって重量がほどよく分散されている。
いくつかのカスタマイズ機能によって、レンズを見るときの快適性も上がっている。手動で調整するつながったレンズは、瞳孔間距離(IPD)、つまり瞳の間の距離を55mmから75mmの間で調節できる。前部にあるダイヤルで、自分の眼とレンズの間の距離も変更可能だ。Quest 2では、IPDを固定の3点にしか設定できなかったし、レンズと眼の距離も調節できなかった。
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