さて、細かな発表を追いかけていると、いくら文字数があっても足りない。
発表でMetaは、参加者がよりリアルな表情で参加できる次世代アバターに加え、スマートフォンカメラでスキャンすることにより自分自身の姿や表情をアバターとして取り込める「CODECアバター」といった遠くない未来に提供予定の機能を、表情や手振りなどをより的確に読み取る技術と一緒に発表した。メタバースの世界をより豊かに表現できるツールやファッション領域に踏み込んだ話にまで言及している。
それらは、これまでのVRユーザーのニーズを的確に分析し、多くの人が集まりコミュニティが日々成長しているVRChatの中で起きているトレンドや現象をウォッチし、次々に自らが提供するシステムの世界観を深める方向に投資をしてきた結果のように見える。
アバターを通じて自分を表現することや、手振りや身振りの再現、それに表情、口の動き、視線の移動などさまざまな面を再現しなければ、コミュニケーションの密度、濃度を高められない。
そのことをよく知っているからこそ、徹底してハードウェア(今回の発表では3つのカメラを搭載する新型コントローラの使い方にも注目だ)、OS、サービス、ツール、アプリケーションを磨き上げ、”VRChatに人が集まる要素”をエッセンスとして取り出し、洗練させようとしているように見える。
よくぞここまでコミットしたものだと思うが、仮にMetaがこの戦略で成功の道を歩むならば、メタバースの中に構築されるさまざまな”仮想インフラ”が、Metaを新しい時代のプラットフォーマーに押し上げることになるかもしれない。
Quest Proの上にMetaが構築しようとしているのは、Quest 2とHorizon Workspaceで試してきた仮想空間での会議やコラボレーションの世界を拡張し、さらにそこにカラーパススルー映像とVR映像を組み合わせたMR(Mixed Reality)の世界だ。
そしてMRの先、数年以内には現実の風景とVR映像をオーバーレイする拡張現実の世界が待っている。これらはアプリケーションやサービスの観点から言えば連続したもので、VRの先にMRがあり、MRでの開発の延長線にARがある。
MRが大きなビジネス価値を生み出し、より多くの企業や消費者がARの可能性に気づく頃には、Metaはこの領域でプラットフォーマーとしての地位を築き上げているだろう。
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