Amazonは、世界中の顧客に高速で手頃な価格のブロードバンドサービスを提供するための衛星システム「Project Kuiper」の提供開始に近づきつつある。しかし、大規模衛星コンステレーションを実際に配備する前に、衛星ネットワークのさまざまな要素を宇宙で試験する必要がある。
このため同社は米国時間10月12日、ロケット打ち上げを手掛ける米企業United Launch Alliance(ULA)と協力して2基のプロトタイプ衛星を宇宙に打ち上げると発表した。2基の衛星「Kuipersat-1」と「Kuipersat-2」を2022年末までに完成させ、ULAの新しいロケット「Vulcan Centaur」の初飛行で2023年初頭に打ち上げるという。
Amazonは当初、2基のプロトタイプ衛星をABL Space Systemsの新しい「RS1」ロケットで宇宙に打ち上げる計画だったが、この計画は遅延に悩まされている。
このプロトタイプミッションは、宇宙からの実世界データによって同社の地上試験を補い、衛星ネットワークのさまざまな要素がどのようにして連携するかをAmazonが把握するのに役立つ見込みだ。「このミッションで得た結果を利用して、当社の商用衛星システムの設計、配備、運用計画を完成させる」とAmazonは発表の中で述べた。
Vulcan Centaurによるプロトタイプ衛星の打ち上げは、AmazonにとってKuiper初の本番用衛星の一部を打ち上げる際に使うものと同じロケットを使えるという付加的なメリットがある。ULAは、Kuiper用の衛星を47回打ち上げる予定だ。
「今回のプロトタイプミッションで同じ打ち上げロケットを使うことにより、本格的な商業打ち上げを前に、ペイロードの搭載、処理、ミッション管理手順を実践する機会が得られる」と、Project Kuiperの技術担当バイスプレジデントを務めるRajeev Badyal氏は発表の中で述べた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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