電気自動車(EV)向けの充電サービスを提供するプラゴは9月29日、急速充電器「PLUGO RAPID(プラゴ ラピッド)」の提供と、EV充電に関わる体験を一括で利用できるEV充電予約アプリ「Myプラゴ」の本格提供を開始すると発表した。
また、10月から都市部の商業施設を中心に、PLUGO RAPIDとMyプラゴ、普通充電器として展開する「PLUGO BAR(プラゴ バー)」を組み合わせたEV充電ステーションの設置、サービス提供を開始する。
EV充電器の事前予約に対応し、自宅で充電ができないEVユーザーの“基礎充電”の利便性を向上させるという。“マイEV充電ステーション”としての活用を促進し、「EV充電難民」という課題の解決を目指す。
2022年にプラゴが実施した自社調査によると、東京都内のEVユーザーの4割は、住宅事情などにより自宅での“基礎充電”ができない環境にあるという。
プラゴで代表取締役を務める大川直樹氏は「集合住宅における設置率は、全国に650万ある集合住宅のうち、わずか0.058%。政府方針により、新築マンションへの充電器の設置は進んでいくはずだが、大半を占める既存のマンションでは管理組合における合意形成の難しさなどから、なかなか設置が進まない」と語る。
また、戸建て住宅の場合も敷地内に充電器が設置できない、工事費用がかかるといった課題が、設置されていたとしても数が非常に少ないという課題があるという。
自宅に充電設備がなく近隣の充電場所を利用するというEVユーザーは、ほかの車が利用中で充電できないこともあるとし、確実な充電の機会が担保されていない「充電難民」という課題を訴えた。
一方、自宅に充電器がないEVユーザー、自宅に充電器があるEVユーザーいずれも、充電器がある場所へ出かける傾向があり、ガソリン車ユーザーと違う行動が生まれているという。
半数以上のEVユーザーは自宅での基礎充電に加えて生活圏内にある充電スポットを併用しており、“マイ充電ステーション”を生活ルーティーンに組み込むことは、全てのEVユーザーの利便性向上になると説明した。
さらに、現状では「自宅での基礎充電が難しい集合住宅ではEVは買えない」という認識が多いが、「生活ルーティーンの中に確実に使える充電ステーションがあれば、全ての人がEVを購入できる」という理解が広まれば、集合住宅居住者のEV購入の促進、既存ユーザーの充電問題の解決にもつながるとした。
「Android/iOS」対応アプリのMyプラゴでは、充電ステーションの検索から空き状況の確認、予約、決済などに一気通貫で対応する。取り置き予約は60分前から可能。充電が終わって退出した際に通知する機能もあるという。
EV充電器を事前予約できるため、自分の都合を優先しながらの確実な充電や、買い物、趣味といった用事を済ませつつの「ながら充電」が可能。生活ルーティーンの中に確実に充電できる環境を構築できる。充電時間に活用できるクーポンや施設の特典サービスなども提供する予定だ。
50kW出力できるPLUGO RAPIDは、普通充電器のPLUGO BARとともに、Myプラゴから利用できる。満空の確認、予約、課金に対応する、日本初で唯一の急速充電器になるという。最大60分連続利用でき、比較的滞在時間の短いスーパーやマーケット、コンビニエンスストア、スポーツジムなどへ設置していく。
10月から順次、第1弾の設置パートナーとなる三井不動産グループ、ルミネ、住商アーバン開発、東急スポーツシステムズの4社とともに、PLUGO RAPID、PLUGO BARなどのEV充電器の設置を進める。2025年末の1000施設、1万基の充電器設置を目指し、自宅で充電できないEVユーザーの生活ルーティーンに“マイ充電ステーション”として組み込み、日常的に活用できる体制を整える。
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