Appleによれば、新しい「Apple Watch Ultra」は過去最高に頑丈で高性能なスマートウォッチだという。筆者はスポーツウォッチのマニアだ。ウェアラブル端末も数え切れないほど持っている。このニッチだが重要なセグメントにAppleが参入したことに興味をそそられ、早速Apple Watch Ultraを買い、試してみた。
ただし、今回のレビューの目的はApple Watch Ultraが公園でのジョギングに有用かどうかを伝えることではない。このウォッチは耐久性と多彩なフィットネス機能を売りにしているのだから、「究極の耐久性テスト」を課してみたい。
テストの舞台に選んだのは、過酷さで知られる障害物レース「タフ・マダー15K」だ。このレースの参加者は、電気ショックや氷水のプール、泥だらけのバリケードなどの非情なチャレンジに挑み、障害物を飛び越え、よじ登り、水に飛び込み、泳ぎ、潜りながらゴールを目指す。Apple Watch Ultraの実力を試すにふさわしい、ウルトラ級の耐久レースだ。
レースを終えた今、筆者の身体は切り傷や打撲で覆われている。身体中が痛み、階段を上り下りするのがやっという有り様だ。では、Apple Watch Ultraはどうだったか。答えは、以下を読んでほしい。
Apple Watch Ultraは、耐久性と堅牢性が売りのスマートウォッチにふさわしく、チタニウムケース、フラットサファイアクリスタル、セラミック製の裏蓋(ぶた)を採用している。「Digital Crown」と呼ばれる竜頭は、どのApple Watchよりも大きい。この竜頭は、本体の右側に張り出したパーツに格納されている。これもApple Watch Ultraから採用された新しいデザインであり、ボタンの感度やフィードバックの向上に欠かせないものだ。
本体の左側には、好きな機能を割り当てられる「アクションボタン」が追加された。タフ・マダーにはグローブをつけて参加したが、Apple Watch Ultraはグローブをつけたまま操作できた。寒冷地や雨天などの悪環境下では、こうした操作性やアクセスの容易さが非常に重要になる。
本体のフレームには2つの新型スピーカーが内蔵されており、レース中はいつでも1マイルごとのスプリットタイムを確認できた(ありがたいことに、サイレン機能が必要になる事態は起きなかった)。深い泥沼を飛び越えようとして激しく転倒し、警告が表示されることは何度かあったが、そのたびに警告を解除し、Apple Watch Ultraに無事を知らせることができた。
普段の生活で転倒検知機能が作動したことは一度もないが、タフ・マダーではジャンプや着地の衝撃がかなり大きく、時には数秒間息が止まることもある。今回のレースでは、この機能が実際に作動することを図らずも確認できた。
レース中は同じような動作を繰り返す。まず、レース中は手首を含めて身体を激しく動かすため、Apple Watch Ultraのディスプレイはロックした。使う時はDigital Crownを押して水を抜き、ロックを解除する。タップをミスしてワークアウトを意図せず止めてしまったこともあるが、これはApple Watch Ultraの使い方にまだ慣れていなかったせいだろう。
Apple Watch Ultraは米国防総省の調達基準「MIL-STD 810H」に準拠しており、IP6Xの防塵性能と100mの防水性能を備えている。最初の2つはテストできたが、レースでは1.5m程度しか潜らないため、最後の防水性能は試せなかった。しかしApple Watch Ultraをダイビングで使用した記事などを見る限り、おおむね好意的な評価を得ているようだ。
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