凸版印刷は9月21日、共創プロジェクト「GEMINI Laboratory」を開始したと発表した。さまざまなプレイヤーと共創し、現実世界をバーチャル空間上に忠実に再現した「ミラーワールド」の構築に関するサービスの開発を目指すという。
昨今、スマートフォンの普及によるSNSの浸透を始めとして、デジタル上で過ごす時間が増加。凸版印刷は、リアルとデジタルの領域をこれまで以上に重ね合わせることで、リアルとバーチャルがボーダレスに作用し合う世界をミラーワールドと定義している。
また、同社はこれまで、木目や石などのテクスチャ、質感を忠実に再現した高意匠の建装材を提供。これらのノウハウを生かし、ミラーワールドやメタバースを始めとする仮想空間に向け、テクスチャ、質感を実装できるデータベースの構築を推進している。
GEMINI Laboratoryは、ミラーワールドの実現に向けた活動の一環として、アーティストや建築家、研究者、ユーザーなどのさまざまなプレイヤーとの共創により、仮想空間に関するアイデアを議論、検証、社会実装を実現するプロジェクト。ミラーワールドやメタバースを始めとする仮想空間に関して、議論や調査、研究などをさまざまなプレイヤーと共同で行い、デジタルとリアルが接続、同期された世界の実現を目指すという。
なお、GEMINI Laboratoryの開始に伴い、活動や仮想空間に関する世の中の潮流を紹介するオウンドメディア「GEMINI Laboratory Media」と、プロジェクトの全容を紹介しつつ多彩な有識者が議論を行うキックオフイベント「GEMINI Laboratory Kickoff Event」(10月6日)、クリエイターとプロジェクトのコンセプトに則して試作した作品を展示する展示会「GEMINI Laboratory Exhibition」(10月14~25日)を開催するという。
GEMINI Laboratory Mediaでは、GEMINI Laboratoryの活動やミラーワールドを始めとする仮想空間の可能性について、調査と情報を発信していく。
GEMINI Laboratory Kickoff Eventでは、GEMINI Laboratoryの全容を解説し、併せて仮想空間に関する多彩な有識者が議論を実施。テクノロジー、アート、アカデミアなど、多彩なフィールドの先端プレイヤーが登場し、視覚のみにとらわれない、リアルとバーチャルがボーダレスに作用し合うことで生まれるミラーワールドの可能性について、ディスカッションを実施する。「渋谷QWS」のオフライン会場と、「YouTube LIVE」オンライン会場を用意する。
GEMINI Laboratory Exhibitionでは、ミラーワールドの実装によってもたらされる心理や身体感覚について、さまざまなアーティストがGEMINI Laboratoryのコンセプトに則して制作、キュレーションした作品を展示する。同社の情報技術研究部門による最新のCAD技術、3Dプリンティング技術を活用した機能性材料のプロトタイプ展示や、GEMINI LaboratoryとDX事業拡大のための試作、実験拠点となる「TOPPAN DIGITAL SANDBOX」メンバーによる建築模型を介したデモンストレーションも実施するという。会場は東京都港区六本木の「ANB Tokyo」。
凸版印刷は、GEMINI Laboratoryの活動を通じて、リアルとバーチャルがボーダレスに作用し合うミラーワールドの普及を推進。さらに、同社が推進するさまざまなメタバース関連ソリューションとの連携を進めるという。
加えて、構築を進める木目や石などのテクスチャや質感のデータを、仮想空間上に実装できるデータベースの開発を推進し、多様な技術やプロダクトについて、多方面で活躍するプレイヤーとの共創で生み出すとしている。
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