汚れたスニーカーを洗うのにぬれ雑巾と石けんを使っているという人は、まだ2021年の常識から抜け出せていない。スニーカーのクリーニングと修繕に特化したNikeの新しいロボットシステム「Bot Initiated Longevity Lab」(BILL)を紹介しよう。
一見すると、大型のBILLはルーブ・ゴールドバーグマシン(シンプルなタスクをあえて複雑なからくりで実行する機械装置)のようだ。しかしBILLがスニーカーを洗うだけではなく、しみついた汚れを落として修繕もできる。Nikeは、このロボットが靴を長持ちさせ、リメイクやリユースが可能な製品を作るという同社の取り組みに貢献するものだとしている。
ロボットが床の掃除からスポーツブラの試着まであらゆることをこなし、パルクールや宙返りでは人間をしのぐ離れ業を見せてくれる中で、BILLはスニーカー分野に登場したことになる。
靴がBILLに装着されると、まずはシューッという音を立てる大型で色とりどりのブラシでどこを洗うべきか決定するため、BILLは靴の3Dデジタルモデルを作成する。靴に裂け目がある場合、靴のオーナーが選んだリサイクル可能なポリエステルの布で修繕が可能だ。このあとの工程は人間が引き継ぎ、Nikeストアの従業員がリサイクル可能な素材で作られた新しい中敷きや靴ひもを追加する。一連の作業にかかる時間は45分だ。
このマシンは現在、NikeTown Londonでテストされており、買い物客が無料で利用できる。NikeのNXTでサステナビリティー責任者を務めるNoah Murphy-Reinhertz氏は、声明で「お気に入りの靴のケアに、人は労力を惜しまない」と述べた。「製品を修繕することは製品との思い出を長く大切にする方法の1つだ。われわれはBILLがそれを可能にすると思っている」
現時点では、BILLを利用して「Air Force 1」「Air Jordan 1」「Space Hippie 01」「Nike Dunk」などのモデルをクリーニングできる。だが、4月に13万ドル(約1800万円)の値がついたNikeのNFTスニーカー「Cryptokicks」を洗うのは難しそうだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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