Googleの親会社Alphabetの技術を受け継いだ新興企業、Aalyria Technologiesは米国時間9月13日のプレスリリースで、レーザーを利用して長距離でのインターネット無線伝送を提供し、最大毎秒1.6テラビットの通信速度を実現することを目指すと発表した。この通信速度は、消費者が現時点で高速インターネットプロバイダーを通じて利用できるブロードバンドサービスよりも大幅に速い。
Aalyriaは、自社の技術により、世界の辺境地のほか、火星の探査機や月面基地といった天体上の受信機にインターネットを提供できるとしている。
Aalyriaの最高経営責任者(CEO)を務めるChris Taylor氏は、プレスリリースで次のように述べた。「当社は高速な都市のメッシュとグローバルに統合されたネットワークの運用を指揮できるし、次なる30億人をつなぐ取り組みを支援できる。これを今日から、しかも大規模に行える」
同社は「Spacetime」と「Tightbeam」という2つの技術を紹介した。Spacetimeは、地上局、航空機、衛星、都市メッシュと他のシステムからなるネットワークを管理して、陸海空にまたがるアンテナリンクを最適化するソフトウェアプラットフォームだ。Tightbeamは、レーザーを使って大気や気象の影響を受けずに「現在利用できる他のいかなる技術より100〜1000倍高速」にデータを伝送する「高度なコヒーレント自由空間光通信技術」だ。
Aalyriaによると、このプロジェクトは導入までにまだ6〜9カ月かかるという。
Aalyriaはこれまでに米国政府の支援を受けており、米国防イノベーション部隊(DIU)から最初の800万ドル(約12億円)の契約を獲得した。DIUは、官民両セクター向けに宇宙での安全なインターネットを開発することを目指している。Aalyriaは、Googleによる長年の研究開発からも恩恵を受けている。Aalyriaが参入する市場では、SpaceXが低軌道衛星インターネットサービス「Starlink」で、世界中に高速インターネットを提供し成長を続けている。
元国防副長官のBob Work氏は、プレスリリースで次のように述べた。「Aalyriaのビジョンと技術的アプローチにより、統合抑止のための完全な通信とネットワークソリューションが初めて実現する。このようなものは他にはない」
Aalyriaは、Alphabetが2021年に解散を決めた子会社Loonの生まれ変わりのような存在だ。Loonは、成層圏を飛行する気球によってインターネット通信網を構築する、同名のプロジェクトから発足した企業だったが、経営的に持続不可能と判断され、事業を終了した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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