パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)の子会社であるYohanaは9月13日、次世代ファミリーコンシェルジュサービス「Yohanaメンバーシップ」を日本で開始すると発表した。1週間の夕食の献立作りや子どもの習い事の提案、旅行先の検索など、家族の忙しいくらしを専門家のチームがサポートする。サービス開始は9月15日。神奈川県を皮切りに、順次提供エリアを拡大していくという。
Yohanaは、パナソニックHDが100%出資する子会社。創業者兼CEOをパナソニックHD執行役員でもあるヨーキー松岡(松岡陽子)氏が務める。現在はシリコンバレーを拠点にする松岡氏は、Googleの副社長やNestのCTOとして活躍してきた一方、4児の母、妻、そして高齢の両親を持つ一人娘としての顔も持つ。「仕事をしながら母として妻として、毎日をがんばってきたが、パンデミック時にすべてぐしゃっと崩れてしまった。なんとか保っていたバランスが子どもも家にいる、仕事も家でするようになり、これはできないと思った。こんなに大変なのは自分だけだと思っていたら、周りにも同じ思いをしている人がたくさんいた。この状況を救える仕組みをテクノロジーで作れないかと思って始めたのがYohana」と、サービスの背景を話す。
Yohanaメンバーシップは、月額税込1万8000円(12月12日までのキャンペーン期間中申し込むと1年間月額8000円で利用できる特別価格を用意)のサブスクリプションサービス。「ガイド」「スペシャリスト」「リサーチャー」のチームが、友人への出産祝いの手配や家族への誕生日プレゼント選び、料理代行の手配、ミールキットの調査と手配といった、日々の細々としたToDoを請け負う。
2021年に米国シアトルで先行ローンチし、6月現在、シアトルだけでも1000家族以上が2万件の家事のToDoを依頼しているとのこと。利用者からは週あたり8~10時間以上のゆとり時間ができたという声が寄せられている。
ガイドが専属のパートナーとなり、スペシャリストが日々のToDoを一緒に解決。リサーチャーはToDoを解決するための専門知識で調査を担うという仕組み。ToDoの作成、スペシャリストへの依頼、チャット、進行中のToDoの進捗確認などは「Yohana App」(モバイル、ウェブ)から行う。
スペシャリストたちは、ホスピタリティ業界で活躍してきた専門人材を採用しているとのこと。日本では、独自のトレーニングを受けたスタッフが対応するとしている。
「年末の大掃除や友人への出産祝いなど、やりたいと思っていても後手後手になってしまうことは多い。それを先回りして提案し、先手先手になるように変えていくのがYohana。こなすだけの毎日にならず、より充実した時間の使い方を提案する」(Yohana LLCジャパン プロダクトトリードの藤田大法氏)とその役割を説明する。
Yohanaができることは、
神奈川県からサービスをスタートする理由については「私が育った場所」(松岡氏)という意味合いもあるというが、「サービスのターゲットになりそうな方がたくさん住んでおり、企業数も多い」(藤田氏)との理由から、スタート場所として選んだとのこと。
目標導入世帯数などについては明らかにしなかったが、すでに家事代行サービスなどを請け負う外部パートナーとの提携も進んでいるとのこと。現在、子育て世代がターゲットになっているが、「日本は高齢化社会。高齢者世帯も含め、対象が増えていく余地がある。今すぐではないがターゲット層の拡大も検討していきたい」(藤田氏)とした。
なお、米国では同様のサービス形態で月額料金を249ドルに設定。日本の価格が割安に感じるが「為替や物価、オペレーションチームなどの観点などを加味すると、感覚としては同じ程度。高いと感じるかもしれないが、使っていただいているお客様には、自由に使える時間や余裕を提供できていると感じており、高いという声は聞いたことがない。時間ができるというのはプライスレス。今後もお客様の声をしっかりと聞いて成長していきたい」(松岡氏)とした。
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