大企業社員の低リスク起業にシード投資--「出向起業スピンアウトキャピタル」が1号ファンド設立

小口貴宏 (編集部)2022年09月06日 10時45分

 出向起業スピンアウトキャピタルは9月5日、1号ファンドを組成したと発表した。主なLP出資元はインキュベイトファンドで、大企業などから出向状態にある起業家が設立したスタートアップに対して、1社あたり3000万円前後のシード投資を実施する。


 同ファンドでは、社員が大企業等に在籍したまま、個人資産や外部資金を使って起業する、いわゆる「出向起業」を後押しする。また、出向起業に限らず、休職や辞職による起業を通じて組成したスタートアップへのシード投資や経営支援、起業準備支援等も実施する。

 日本では、人材や資本は大企業に集中する傾向にある。一方で、大企業では本業とのシナジーや確実性、失敗回避が求められるため、必ずしも新規事業を育てやすい環境ではないという。さらに、退職して起業するにしても、家庭や住宅ローンなどの困難が伴う。そこで同ファンドでは、大企業に在籍している「尖った人材」が、出向起業によって低リスクで起業することを後押しする。

 また、経済産業省は2020年4月から、出向起業にかかる費用の一部を補助する制度を立ち上げている。条件は、新たに創設するスタートアップが、出向元大企業の子会社等に該当しないことで、タートアップの株式について、出向元大企業等の保有割合が20%未満であることを求めている。

 同ファンド代表の奥山恵太氏は2010年に経済産業省に入省後、米国の投資ファンドで投資銘柄財務モデリングやバリューアップ業務、小型電池製造スタートアップでの経営支援を経験。2018年の帰国の後、内閣府での宇宙スタートアップ支援業務を経て、経済産業省で出向起業の補助制度を自ら企画した。2022年7月に経済産業省退職後、出向起業スピンアウトキャピタルを立ち上げた。

 「『出向状態でも構わず投資する』方針によるリターンを証明し、これまで着目されなかった『出向状態の起業家』にシード資金を流入させることを目指す。ひいては、トップ層の大企業社員が、所属企業から出向や休職や辞職を通じて起業することが当たり前の選択肢となり、日本発の起業家が指数関数的に増加することを目指す」と同ファンドはコメントした。

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