韓国のサムスンは現地時間8月25日、処理水をリサイクルして排泄物を安全に処理する新たなトイレ「Reinvented Toilet」(再発明されたトイレ)を、ビル&メリンダ・ゲイツ財団と共同開発したと発表した。
サムスンは、同財団が2011年に開始したプロジェクト「Reinvent the Toilet Challenge」(トイレ再発明チャレンジ)に支持を表明していた。このプロジェクトでは、汚水処理システムを必要としないインクルーシブ(包摂的)な衛生サービスを提供できる、費用対効果の高いトイレの開発を目指している。
サムスンの先端研究部門であるサムスン先端技術研究所(SAIT)は、2019年からビル&メリンダ・ゲイツ財団と協力している。SAITは先ごろ核となる技術の開発を完了し、Reinvented Toiletの試作品を製作してテストを実施したという。
サムスンによると、このトイレは一般家庭向けで、財団が求める性能要件を満たしているという。人間の排泄物に含まれる病原菌を死滅させるための熱処理およびバイオプロセス(応用生物学的工程による処理)技術を採用しており、排出される物質は環境にとって安全だとしている。
処理水は完全にリサイクル可能で、固体の排泄物は乾燥後に燃焼させて灰にし、液体の汚水は浄化するという。また、商用化の際には関連する特許のライセンスを発展途上国に無償で提供する計画だとしている。
サムスンによると、トイレ開発への同社の取り組みは、実質的なリーダーである副会長の李在鎔(イ・ジェヨン)氏が始めたものだという。同氏は16日にBill Gates氏に会い、プロジェクトの進捗について協議した。
イ氏は、同社の技術を活用して「人類が直面している課題に対処する」一助とすべく尽力すると伝えたという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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