だからといって、Nothing OSが個性に欠けているわけではない。ユーザーは、起動時のアニメーションや四角いウィジェット、フォントなど、レトロな雰囲気をNothing Phone (1)に与えているドット配列のテーマにすぐ気づくだろう。また、会議やインタビューでボイスレコーダーを常用している人間としては、ボイスレコーダーのレトロな雰囲気と「録音の際は他者のプライバシーにご配慮ください」という笑ってしまうほど真剣な開始メッセージを見て嬉しくなった。
とはいえ、Nothing OSには、想像上のTeslaのドアを解錠するクイック設定トグルや、貴重なデジタルアート作品を展示するNFTギャラリーウィジェットなど、すべてのユーザーが共感できるわけではない機能もある。
Nothingは最大3年間のOSアップデートと最大4年間のセキュリティパッチをNothing Phone (1)に提供することを約束している。これは、ミッドレンジのスマートフォンとしては異例である。筆者が使用した3週間、アップデートのサイクルには一貫性があった。今後もそれが維持されるのであれば、Nothing Phone (1)は長きにわたって現役のスマートフォンとして使用できる可能性が高い。
プロセッサーにはQualcommの「Snapdragon 778G+」を搭載している。「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載したスマートフォンと比較してベンチマークスコアがどれだけ低いのかを話してもいいのだが、代わりに、Nothing Phone (1)の日常的な使用でのパフォーマンスに焦点を当てたいと思う。この価格帯のスマートフォンを購入する人は、おそらく4K動画の編集や最高のグラフィックス設定でのゲームプレイではなく、ソーシャルメディアの閲覧、友人や家族とのメッセージのやりとりにより多くの時間を費やすはずだ。
同機種を日常的に使用した経験から言わせてもらうと、標準的なアプリやサービスは問題なく実行できる。もちろん、「Twitter」や「Slack」を読み込んで、すべての情報を処理するには、1~2秒余計に時間がかかるが、全体的にクラッシュや動作速度の低下はほとんど発生しなかった。筆者のように、電子メールやメッセージ、番組のストリーミング、写真撮影などの用途にスマートフォンを使用するのであれば、Nothing Phone (1)は400ドル(約5万5000円)で提供されているほかのスマートフォンと同様、十分な性能を備えている。
綻びが見え始めるのは、分割画面アプリで複数のことを同時にしたり、長時間にわたって動画を撮影したりするときだ。アダプティブリフレッシュレートが高速で作動し、1~2秒ごとにフレームが飛んだり、落ちたりすることもある。もちろん、開発者向けオプションによって120Hzを強制的に使用することも可能だが、それをすると負荷が増大し、バッテリー持続時間が大幅に短くなる。バッテリー持続時間については、後で詳しく説明する。
最後に、デュアルスピーカーシステムは、どんなに良くても及第点といったところだ。誤解しないでほしいのだが、音量は十分だ。しかし、音量を60%以上に設定すると、不快で耳障りな音が聞こえてくる。オーディオ出力もフラットで、何よりも高域が強調されているように感じる。
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