サムスン「Galaxy Watch5」解説--体温センサー搭載、バッテリーや強度も進化

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年08月19日 07時30分

 米国時間8月10日に開催されたサムスンの新製品発表会「Unpacked」で「Galaxy Watch5」が正式発表された。究極のAndroidウォッチの開発を目指すサムスンが、2021年の「Galaxy Watch4」に続いて市場に投入する最新機種だ。今回は基本モデルに加えて、大型のProモデルも登場した。両モデルとも「Galaxy Buds2 Pro」、「Galaxy Fold4」、「Galaxy Flip4」といった新製品と共に、8月26日に発売される。

 2021年に発売されたGalaxy Watch4は、Googleがサムスンと共同開発した新OS「Wear OS 3」を搭載した初のスマートウォッチとなった。完璧ではないが、意欲的な生体センサーをいくつも備え、手首に装着しているだけで生体インピーダンス法により体脂肪などの体組成を計測する機能を、「S Health」アプリで活用できるようになった。

 しかし今回の状況は2021年とは大きく違う。Googleが秋に発売する「Pixel Watch」は、FitbitとGoogleの自動化テクノロジーと優れたデザインを融合させたスマートウォッチになると期待されている。今回サムスンが発売したGalaxy Watch5/Proは、バッテリー駆動時間が延び、新たに体温センサーが搭載され、文字盤には従来の「Gorilla Glass」より耐久性の高いサファイアガラスが採用される。Proモデルは大型バッテリーを搭載し、一度の充電で何日も連続して使うことが可能だ。バッテリーの強化はスマートウォッチ市場のトレンドであり、Appleが秋に発売する新型スマートウォッチもバッテリーが強化されるとみられている。

 Galaxy Watch5を買うべきか、買うなら基本モデルかProモデルか、それともPixel Watchの詳細が分かるまで、購入は控えるべきか――。Galaxy Watch5は、秋に予想される新型スマートウォッチの発売ラッシュに先駆けて登場した。まだ他社の新モデルは発表されていないため比較はできないが、Galaxy Watch4と比べるとアップグレード内容は控えめで、めぼしい変更点は数えるほどしかない。詳細を見ていこう。

価格:豊富な選択肢

 Galaxy Watch5の価格は、Bluetoothモデルが280ドル(約3万7000円)から、LTEモデルは330ドル(約4万4000円)からとなっている。大型バッテリーとチタン製ケースを採用したGalaxy Watch5 Proは、Bluetoothモデルが450ドル(約6万円)から、LTEモデルは500ドル(約6万7000円)からだ。

Galaxy Watch5 Pro
Watch5 Proモデルは通常モデルよりバッテリー駆動時間が長く、価格は高額だ
提供:Lisa Eadicicco/CNET

バッテリー駆動時間:Proは大幅に進化

 バッテリー容量は、Galaxy Watch4では44mmが361mAh、40mmが247mAhだったのに対して、新しいGalaxy Watch5では44mmが410mAh、40mmが284mAhとなっている。つまり、理論的にはバッテリー駆動時間は少し延びるはずだが、具体的にどれくらいかは分からない。ちなみにGalaxy Watch 4は筆者の使用環境だと2日程度もった。

 大きな改善が見られたのは、今回初めて追加されたProモデルだ。590mAhという大型バッテリーを搭載しているため、使用状況にもよるが、一度の充電で3日間は持つだろう。サムスンは(価格は高いがケースがチタン製で丈夫な)大型のProモデルを、GPS機能を使うランナーや、丈夫さや長いバッテリー駆動時間を求めるアウトドア派のユーザーにアピールしている。

体温:サムスンもトレンドに参戦

 Galaxy Watch5は、Galaxy Watch4に続いて、心拍センサー、生体電気インピーダンスセンサー、ECGセンサー(日本ではまだ利用できない)を搭載しているが、さらに赤外線を利用して体温を測定する新機能も加わった。体温センサーを搭載したスマートウォッチは、少なくともサムスンでは初だ。近年、ウェアラブル市場では体温測定がトレンドになっている。この機能はFitbitのスマートウォッチには何年も前から搭載されており、Amazonのフィットネスバンド「Halo」やスマートリング「Oura Ring」にも搭載済みだ。報道によれば、Appleの次期スマートウォッチにも体温測定機能が搭載されるという。

 体温は他の健康指標と併せて、ユーザーの健康状態の変化を感知するために活用される。しかし、サムスンがこの情報を具体的にどう使うのかは不明だ。ちなみに他のウェアラブルデバイスに搭載されている体温センサーの測定結果は、体温計で測定した体温と違い、数値そのものよりも相対的なものとして、つまり経時的な変化を知るために活用されることが多い。病気の可能性を察知する役には立ちそうだが、このデータをサムスンがどう使うのかはまだ分からない。

デザイン:現状維持(ただしProモデルは少し大きい)

 寸法はGalaxy Watch4と変わらないように見えるが、40mmモデルも44mmモデルも数グラムずつ重くなっている。色展開は、グラファイト、サファイア、ピンクゴールド、シルバーの4色だ。

提供:Lisa Eadicicco/CNET
Watch5の見た目はWatch4とおおむね変わらない
提供:Lisa Eadicicco/CNET

 大型バッテリーを搭載するGalaxy Watch5 Proは明らかに大きい。Watch5の44mmと比べても、厚みは1ミリ多く、縦横も1ミリ程度長い。重量は46.5gと格段に重く、Watch4の40mmの25.9gと比べると2倍に近い。チタン製ケースはブラックとグレーの2色が用意され、Dバックルスポーツバンドを採用する。

 Galaxy Watch4も文字盤のバリエーションは豊富だったが、今年はさらに多彩になった。文字盤のデザインやカラーはカスタマイズも可能だ。

 ひとつだけ、前機種のデザインから失われたものがある。それは回転式ベゼルだ。現在、サムスン製スマートウォッチではタッチベゼルがデフォルトの操作方法となっている。しかしダイアルを物理的に動かしたいユーザーのために、サムスンは「Galaxy Watch4 Classic」をラインアップに残す予定だ。

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