レストラン予約・検索サービスを運営するTableCheckは8月16日、同社が毎年実施している「グルメサイトに関する意識調査」の結果を発表した。
今回で3回目を数える同調査では、20〜60代の全国の男女1100名と、20〜50代の飲食店に勤務する全国の男女550名が対象となった。調査期間は、6月27日から30日まで。
グルメサイトとは、飲食店などの情報を中心として扱うウェブサイト。店名や住所、電話番号などの基本情報のほかに、メニューやおすすめプラン、来店客によるレビュー、評価などが掲載されているのが特徴。また、「食べログ」や「ぐるなび」「ホットペッパーグルメ」などでは、検索だけではなくネット予約受付にも対応している。
それによると、グルメサイト離れが進行する一方で、新興勢として「Google」が存在感を高める結果となった。
ユーザーに対する設問「グルメサイトでの点数・ランキング表示の信頼度として、該当する選択肢を1つお選びください。(n=1100)」では、「あまり信頼していない」「まったく信頼していない」を合わせた信頼しない層は、2年前の数値から約1.2倍となる30.4%となった。
また、「飲食店を検索する際、よく利用する手段をすべてお選びください。(n=1100)」という問いでは、検索・マップなどを含むGoogleの利用がが86.1%と、初めてグルメサイトを抜いてトップとなった。
同社では、コロナ禍で検索や予約など、飲食店に関連する機能を充実させた結果であると推測する。
なお、「1年前と比較して、グルメサイトの利用・閲覧頻度について、あてはまるものを1つお選びください。(n=1100)」という、グルメサイトの利用頻度を確認する問いでは、「減った」(17.7%)と「利用・閲覧しなくなった」(8.8%)を合わせた利用頻度が減った層が26.5%となった。
同社によると、利用頻度が減った層が増えた層を毎年上回って推移しているという。今回の調査でも、「グルメサイトの利用・閲覧頻度について、減った、利用・閲覧しなくなった理由をすべてお選びください。(n=292)」という問いでは、「自分好みのお店が見つからないから」(28.8%)、「信頼できる情報ではないから」(21.2%)と、過去の調査と同様の理由が2トップに挙げられている。
年代別となる「自分好みのお店をよく発見できると感じるツールをすべてお選びください。(n=1025)」という問いでは、全年代でグルメサイトの利用率は高いものの、Googleの利用率が20代、30代、50代でグルメサイトを上回る結果となった。なお、SNSを活用して飲食店を探すのは、20代のユーザー間で先行して普及している様子が読み取れる。
一方、予約ツールとしての利用率を調べるため、「飲食店を予約する際、最もよく利用する手段を下記より1つお選びください。(n=1100)」という問いでは、依然としてグルメサイトと電話予約が根強く、GoogleとSNSは極めて低い結果となった。このことから、予約ツールとしての普及はまだ途上段階にあるという。
このことについては、GoogleやInstagramは、コロナ禍で飲食店の予約機能を充実させたが、飲食店側の導入設定が進んでいないことから、検索から予約までの動線に課題があると結論。ただし、「自分好みのお店をよく発見できると感じるツールをすべてお選びください。(n=1025)」では、Googleが50.4%と圧倒的な支持を集めており、Googleを予約ツールとしてしっかり活用すれば、高い集客効果を期待できると推察する。
なお、「飲食店予約ツールとして利用する理由を、すべてお選びください。(n=1100)」では、「電話予約」が「簡単」「予約の確認がしやすい」「要望を細かく伝えられる」「確実」「直前で予約できる」といった項目で高い評価を得ている。
同社では、焼肉チェーン店が食べログの評点を不当に下げられ、売り上げが減少したとして、損害賠償などを求めた訴訟において、東京地裁が食べログを運営するカカクコム側に独裁禁止法違反を認めて敗訴とした判決に対して、「食べログ側敗訴の東京地裁判決は、妥当だと思いますか。(n=407)」をきいたところ、「とても妥当」(26.3%)、「妥当」(31.7%)と判決を支持する層が58%という結果となった。
なお、食べログ側を支持した回答者は、5.1%(「妥当ではない」が2.9%、「まったく妥当ではない」が2.2%)となっている。
また、「グルメサイトにおけるユーザーの飲食店評価について、あてはまるものを一つお選びください。(n=407)」という問いでは、「信用していない」(21.4%)、「間違っているものが多いと思う」(9.1%)と、ユーザー評価を信用しない層が30.5%となり、グルメサイトへの不満が確認できる。
ユーザー・飲食店の双方において、グルメサイト離れが進行している状況下で、GoogleやSNSなど、無料の集客ツールが充実したことが、その動きをさらに加速させていると推測している。このことは、食べログをはじめとするほとんどのグルメサイトの主な収益源が飲食店からの契約料や送客手数料で構成されているにもかかわらず、飲食店の不満や要望に応えていないことを挙げ、広告メディアとしてのビジネスモデルの限界がきていると考えられるという。
グルメサイトの凋落の理由として、その広告メディアとしてのビジネスモデルに限界がきているとしており、よりパーソナライズされた情報を簡単に当たり前に得られるようになった今、高い契約料順に表示される飲食店検索サービスからは、ユーザーも飲食店も離れてしまうのは当然の流れであると結んでいる。
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