増収に向けたAppleの次なる戦略は、自社アプリである「マップ」「Apple Books」「Apple Podcast」に広告を掲載することだと報じられている。
Appleの広告プラットフォーム担当バイスプレジデントを務めるTodd Teresi氏は、現時点で年間売上高が40億ドル(約5300億円)の広告事業を100億ドル(約1兆3300億円)規模にまで拡大したい考えだと、BloombergのMark Gurman記者は報じている。Teresi氏は2012年にAdobeからAppleに移籍している。
App Storeでアプリを見つけてもらいやすくするための検索広告「Apple Search Ads」を他のアプリにも適用することで、Appleは広告収入を百億ドル規模にまで拡大できる可能性があるというのがGurman記者の見方だ。同氏は、Appleがこれをマップ、Apple Books、Apple Podcastに拡大する可能性があると考えている。
一方、消費者にサブスクリプションへの加入を控える傾向が見られつつある中で、「Apple TV+」にも、広告収入型の低価格プランが提供される可能性があるという。「Netflix」や「Disney+」など、他の配信大手は、サブスクリプションプランに広告付きプランを設けており、Appleもこれに倣う可能性がある。
Appleの第3会計四半期(6月25日締め)のサービス売上高は196億ドルで、製品売上高は634億ドルだった。
9to5Macは7月、AppleがApp Storeで「検索」タブと検索結果に加えて、「Today」ホームページと個々のアプリページにも広告表示枠を拡大する計画だと報じた。
しかし、同社はオンライン広告を大々的に推進するのは気まずい立ち位置にある。同社は販売できる広告表示枠を豊富に保有しているが、最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏は、プライバシーを重視する方針をアピールし、広告収入型のインターネットを声高に批判してきた。2018年にはFacebookやGoogleをはじめとする大手インターネット企業について、軍事的精度でユーザーに標的を絞る「データ産業複合体」になっていると非難した。
2021年には「App Tracking Transparency」レポートを公開し、アプリからのどのデータが行動追跡に使われているかをユーザーが確認できるようにした。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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