「Snapdragon W5/W5+」発表--長時間稼働、カメラ搭載の次世代ウェアラブルに期待

David Lumb (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年07月25日 07時30分

 スマートウォッチのバッテリー持続時間について不満をこぼす人は多いが、それは無理からぬことだろう。サムスンの「Galaxy Watch4」のようなハイエンドのスマートウォッチでさえ、フル充電後、2~3日しか持続しないからだ。だが、Qualcommがリリース予定の「Snapdragon W5」チップは、パフォーマンスと効率に関する多数の改善により、バッテリー持続時間を最長24時間延ばすことを約束している。

スマートウォッチ
Snapdragon W5チップはQualcommのウェアラブル用の次世代チップだ。バッテリー持続時間の向上とカメラへの対応が見込める。
提供:Qualcomm

 正式にはSnapdragon W5および「Snapdragon W5+」と呼ばれるこれらの新しいチップは、サムスンのGalaxy Watch4やMobvoiの「TicWatch 3 Pro」、そしてその他の、統計データ上実際に購入した人がほとんどいないウェアラブルに搭載されていた「Snapdragon Wear 4100」および「Snapdragon Wear 4100+」の後継製品だ。Qualcommによると、W5/W5+は、チップのサイズを4ナノメートルに小型化することで、バッテリー持続時間の延長を実現するという。人間の髪の毛の太さが約8万ナノメートルなので、4ナノメートルというサイズは驚異的な小ささだ。4100シリーズは12ナノメートルだった。

 QualcommのW5+には、そうしたさまざまな利点に加えて、以前の4100+チップより最長で24時間長くバッテリーを持続させる特別な機能もある。W5+は、コプロセッサーと呼ばれるもの(事実上別個のコンピューターチップで、通知の表示などの基本的なタスクを実行するように設計されている)によって、これを実現している。

 また、QualcommはW5+で、何かを実行するために「起動」するチップのコンポーネントを減らし、残りのコンポーネントを休止状態にすることで、さらに多くのバッテリーを節約している。例えば、ユーザーがランニングや音楽鑑賞をする場合は、衛星GPS位置情報サービス、Wi-Fi、オーディオに関連する機能だけがアクティブになる。Qualcommのスマートウェアラブル担当シニアディレクター兼グローバル責任者のPankaj Kedia氏はこの機能について、夜間にキッチンに行きたいときに、家の中のすべての照明を無駄に点灯するのではなく、いくつかの照明だけを点灯するようなもの、と例えた。「SoCの他のコンポーネントは電力を消費しないので、バッテリー持続時間が長くなる」(Kedia氏)。

 スマートウォッチの一般化に伴って、Qualcommのウェアラブルへの取り組みも着実に進歩している。スマートウォッチの出荷台数は、すでにスイスの腕時計業界の総計を上回っている。現在、テクノロジー企業が直面しているのは、スマートウォッチが今後もテクノロジーやフィットネスの愛好家に好まれる比較的ニッチな製品であり続けるのか、それとも、新しい機能の登場によって、より多くのユーザーの生活に欠かせないものになるのか、という問題だ。

 圧倒的な人気を誇るスマートウォッチのメーカーであるAppleは、エクストリームスポーツ向けの頑丈な「Apple Watch」を開発中で、2022年中に発表する可能性があるとうわさされている。一方、GoogleはAppleやサムスンのハイエンドのスマートウォッチに対抗して、「Pixel Watch」と呼ばれる新しいスマートウォッチの開発に取り組んでおり、「Google Pixel 7」とともに2022年秋に発表する見通しだ。ただし、Pixel Watchの価格については、まだ何も発表されていない。

 Pixel Watchに内蔵されるチップセットも明かされていないため、「Wear OS 3」(サムスンの「Tizen」OSの一部を統合したGoogleのウェアラブルOS)を搭載することを除けば、機能の多くも不明だ。だが、そのOSによって、Apple Watchと同様の利点が得られる。独自のソフトウェアを採用することで、ハードウェアとの連携が向上する。

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