CNET Japanの編集記者が気になる話題のトピックなどを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にゲームなどのエンターテインメント関連も取材している佐藤が担当。今回は、7月9日と10日に千葉県にある幕張メッセ イベントホールにて行われたライブイベント「THE IDOLM@STER 765PRO ALLSTARS LIVE SUNRICH COLORFUL」の模様をお届けする。
「アイドルマスター」は、2005年にアミューズメント施設向けゲーム(アーケードゲーム)からスタートしたアイドルプロデュースゲーム。以降、家庭用ゲームソフトやモバイルコンテンツをはじめ、ラジオやTVアニメ、ステージイベントなどクロスメディア展開を行っている。
1stライブにあたる、2006年に開催された1周年記念の「THE IDOLM@STER 1st ANNIVERSARY LIVE」から、ライブイベントも本格展開。以降、キャスト陣によるライブステージは、派生したシリーズブランドを含め恒例のイベントとなっている。アーケード版以降、長年シリーズを展開している765プロダクション(765プロ)のキャスト陣よるライブやイベントもさまざまな形で行われているなか、近年では「バンダイナムコフェスティバル」や「バンダイナムコフェスティバル2nd」などのステージに出演する機会はあったものの、単独ライブとなると、2018年1月に行われた「THE IDOLM@STER ニューイヤーライブ!! 初星宴舞(はつぼしえんぶ)」以来、約4年半ぶり。アイドルマスターシリーズ15周年のタイミングにもなっていた、2020年8月に単独ライブ開催も告知されていたものの、新型コロナウイルス感染症の影響により中止となったこともあり、待望のライブが実現する運びとなった。
会場内では、新型コロナウイルスの影響と感染拡大防止、ならびに飛沫防止の観点から公演中の声援やコールは控える形となっており、集まった“プロデューサーさん”(※アイドルマスターシリーズのファンのこと)は、キャスト陣によるパフォーマンスやトークに対して、拍手を送ったりコンサートライトを振って応えていた。また国内外に向けたオンライン配信での中継や、映画館でのライブビューイングも実施した。
この公演では、765PRO ALLSTARS(765AS)のキャスト12人全員が集結。中村繪里子さん(天海春香役)、今井麻美さん(如月千早役)、浅倉杏美さん(萩原雪歩役)、仁後真耶子さん(高槻やよい役)、若林直美さん(秋月律子役)、たかはし智秋さん(三浦あずさ役)、釘宮理恵さん(水瀬伊織役)、平田宏美さん(菊地真役)、下田麻美さん(双海亜美・真美役)、長谷川明子さん(星井美希役)、原由実さん(四条貴音役)、沼倉愛美さん(我那覇響役)が出演。加えて、滝田樹里さん(音無小鳥役)もシークレット出演という形で登場。13人が揃ってステージに立つのは、2012年に開催された「THE IDOLM@STER 7th ANNIVERSARY 765PRO ALLSTARS みんなといっしょに!」以来、実に10年ぶりとなる。
両日ともに24曲ずつ、3時間を超えるステージを展開。CDシリーズ「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 4」に収録されている最新のソロ曲をはじめとして、ステージではなかなか歌われなかった楽曲の初披露や、数年といった範囲を超えて長年歌われていなかった楽曲も含めて、これまで765プロを彩ってきた数々の楽曲を披露するライブとなった。
DAY1となる9日の冒頭では、765プロ社長の高木順二朗と、事務員の音無小鳥による挨拶や注意事項の説明、ひまわりに彩られたオープニングムービーを経てライブがスタート。その1曲目となったのは、12人そろっての「We Have A Dream」。アップテンポで紡がれる、初めましてのプロデューサーさんにも向けているような、765プロアイドルの紹介ソングで幕開けとなった。
歌い終わったあとの挨拶も、久々の単独ライブ開催や765AS全員がそろったということで、この日を待ち望んでいたことや喜びに満ちた言葉が次々に語られていった。またトークが進行するなかでは、ライブタイトルになっている“サンリッチ”はひまわりの品種であること、衣装にもひまわりの種をモチーフにした柄が入っていることなど、“サンリッチカラフル”をイメージしつつ個性が際立ったデザインになっているという説明を行っていた。
ここからはソロ曲やユニットでの楽曲披露のパートに。「サニー」(中村さん、若林さん、たかはしさん、下田さん、沼倉さん)では、うちわを手に夏らしさ全開といったステージに。それに続いたのが、仁後さんによるやよいのソロ曲「スマイル体操」では、仁後さんがヘッドセットマイクで登場し、文字通り笑顔になれるパフォーマンスを展開。長谷川さんによる美希のソロ曲「アプデ」では、美希の日常や可愛らしさを表す楽曲を軽快に歌っていた。そして平田さんは、真のソロ曲でも人気の高い「自転車」を披露。さわやかさと力強さを併せ持った歌声を響かせていた。
トークパートでは、くじ引きをして、引いたメンバーを15秒で紹介する“他己紹介”を行うことに。賑やかに紹介が進められていくなか、特に盛り上がっていたのは、平田さんが浅倉さんの紹介を行ったところ。“真が雪歩を褒めまくり、雪歩がメロメロになる”という光景を彷彿とさせるような、平田さんのカッコいいセリフと、感嘆の反応を見せる浅倉さんという光景に、拍手が沸き上がっていた。
「Slapp Happy!!!」(今井さん、仁後さん、釘宮さん)は、もともとはTVアニメのBlu-ray完全生産限定版の特典ボーカルCDの収録曲で、オリジナルメンバー3人の披露が実現。仁後さんのホイッスルから始まり、サンバの曲調にのせて楽しい雰囲気に包み込んでいた。若林さんによる律子のソロ曲「恋するミカタ」では、ヘッドセットマイクにフラッグパフォーマンスも披露するなど、いつも以上の全力全開なステージと展開。
浅倉さんは雪歩のソロ曲「芽吹の季」で、真っ直ぐに気持ちを届けるような優しくも芯のある歌声を響かせた。そして、下田さんによる真美のソロ曲「セクシータイフーン」では、セクシーな雰囲気と、13歳の真美のおませなところがあふれるステージとなっていた。
「マジで…!?」(中村さん、長谷川さん、仁後さん、若林さん、たかはしさん、釘宮さん)は、「太鼓の達人」とのコラボから誕生した楽曲ということもあってか、太鼓の音が鳴り響くようなお祭り感満載の曲に。ステージも夏祭りをイメージするやぐらの映像を背景に、メンバーもハッピを着て盛り上げながら歌っていた。
トークパートは再度他己紹介のコーナーに。前半パートでは、自身のくじを自ら引くことはなかったが、このパートでは6人中3人が引いて自己紹介をすることに。なかでも、本来は仁後さんが今井さんのくじを引いて、今井さんが大喜びしていたところを、メンバーから今井さんが持っていたものと強制的に交換されられて、今井さん自身のくじが手元にきてしまう状態に。これには今井さんも、千早を彷彿とさせる「くっ……」を口にしていた。
再開後は「99 Nights」(浅倉さん、平田さん、原さん)では、クールでお洒落、そして大人な雰囲気に包み込む。そして、たかはしさんによるあずさのソロ曲「VELVET QUIET」に。ヘッドセットマイクを付けての本格的なダンスパフォーマンスと、聴く人を魅了する歌唱力をもって披露。カッコよさとセクシーさを感じさせる圧巻のステージとなっていた。
ここで滝田さんが、事前告知なくサプライズで登場。滝田さんはライブ展開初期から長くステージに立っていたものの、今回の出演はシリーズ10周年記念ライブとして2015年に行われた「THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2015」以来、7年ぶり。そして披露したのは、コミック「朝焼けは黄金色 THE IDOLM@STER」5巻の特装版付属のCDに収録されている、小鳥のソロ曲「翼」。滝田さんは、白を基調としたドレス風衣装と透明感のある歌声をもって披露し、大きな拍手が巻き起こっていた。
さらに、小鳥のソロ曲として長く歌われてきた「空」も披露。イントロが流れた段階でどよめきがおきるほど人気の高さを感じるなかで、さわやかに歌唱。歌い終わったあと、中村さんから13人揃ったことを示す「765PRO ALLSTARS+」(765AS+)になったことを宣言した。
13人でのトークパートでは、サンリッチを表すひまわりの花言葉“あなただけを見つめる”にちなみ、“お互いの考えが通じ合っている”ということを踏まえた、配信のアンケート機能を活用した企画コーナーを実施。ある質問に対して、視聴しているプロデューサーさんはどっちを選ぶかをメンバーが予想するというもので、選んだ選択肢のアピール合戦さながらのトークも展開されるなど、終始フリーダムかつ賑やかなものとなっていた。
ライブも終盤となったところで披露されたのは「KisS」(長谷川さん、沼倉さん、原さん)。プロジェクトフェアリーの3人がそろって、大舞台で妖艶と魅惑のステージが展開。さらに「inferno」(今井さん、浅倉さん)は、千早と雪歩が歌う楽曲として2008年リリース以降、これまでもライブではさまざまなメンバーで歌われていたが、ついに今井さんと浅倉さんの組み合わせで実現。炎が灯されたステージで2人がセリフを交えながら熱唱した。とりわけこの2曲に関しては、DAY1においてどよめきが大きいものとなっていた。
ここからは5曲連続でソロ曲の披露に。釘宮さんよる伊織のソロ曲「ソナー」は、お洒落と儚げな雰囲気の楽曲を、切なさを感じさせる歌声で魅了。原さんによる貴音のソロ曲「月ノ桜」では、原さんが着物風衣装で登場し、和を感じさせるバラード曲で包み込むように歌う。沼倉さんによる響のソロ曲「HUG」は、温かい気持ちになれる楽曲で、響が持つ優しさを前面に押し出したような歌声を響かせていた。中村さんによる春香のソロ曲「笑って!」では、落ち着いた雰囲気のなかで懐かしさを感じさせる楽曲を、思いを込めて歌う。そして、今井さんが千早のソロ曲「Coming Smile」の披露に。疾走感ある曲調に“笑顔”のメッセージ、そして心に直接訴えかけるような今井さんの歌声で、ただただ聴き入るというような感覚になれるステージとなっていた。
そして、12人が登場して披露したのが「New Me, Continued」。これまでの積み重ねと思い出を抱えながら、これからも新しい一歩を踏み出していく、そんなメッセージを感じさせる楽曲を、思いを伝えるように歌っていた。
一旦締めくくりとなり、アンコールを求める拍手と、業務連絡と題した各種情報の発表を経て、13人が登場。アンコール1曲目はシリーズ15周年記念楽曲である「なんどでも笑おう」。これまでもさまざまなステージや、シリーズ各ブランドのライブでも披露されてきたが、ようやくと言っていいぐらいに765プロ単独ライブの場で、そして13人が揃って歌うという感慨深さを感じさせるものに。
メンバーが終わりの挨拶をするなかでは、感想はそれぞれあるなかでも一様に楽しかったことを語る。そしてDAY1の最後に歌ったのは、TVアニメのオープニングテーマになっていた「READY!!」。DAY2やこの先もまだまだ続いていくことを示すように歌っていた。
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