特殊冷凍テクノロジーを活用した「Freezing as a Service」を展開するデイブレイクは6月24日、水産物の養殖・加工・販売を手掛けるふく成と次世代冷凍真鯛について共同開発したと発表した。
CRC食品環境衛生研究所が実施した味覚分析の結果では、同社の特殊冷凍機「アートロックフリーザー」で冷凍したふく成の真鯛(解凍)が、生の真鯛よりも旨味コクが向上していたという。
具体的には、人の味覚の感度に合わせた尺度で変化を数値化する味覚認識装置「TS-5000Z」を利用。真鯛の切り身(生)を基準とし、特殊冷凍真鯛(解凍)の旨味コク、旨味、塩味、苦味、苦味雑味の項目を測定・評価した。
特に、味に余韻を感じさせる「旨みコク」に注目しており、ふく成の特殊冷凍真鯛の切り身(解凍)が、生の真鯛の切り身よりも「旨味コク」数値が26.4%向上したことを確認。呈味物質(味を感じさせる物質)濃度が20%変化すると、人は味の変化を認識するといわれており、一般的に人が認識できるレベルで旨味コクが向上したことが、検査結果によって明らかとなった。
また、両社の共同研究により、従来冷凍することで損なわれていたシメたてのコリコリとした食感も、解凍後に生に限りなく近い状態への再現に成功。これにより、旨味コクが増し、シメたての食感を再現する次世代の特殊冷凍真鯛が誕生した。
なお、ふく成では2020年から冷凍真鯛を製造している。しかし、解凍後に養殖真鯛の特徴である活き〆のコリコリとした食感が損なわれることが課題となっていた。
ふく成の調査では、製造工程や保管環境など、オペレーションを見直した結果、官能評価を行ったふく成の従業員が、全員一致で「生の真鯛に限りなく近い状態に食感が向上した」と回答。加えて、一般消費者に実施した生の鯛と特殊冷凍真鯛の食べ比べでは、30名中28人(93.3%)が食感に違いを感じないと回答していたという。
ふく成では、今回共同開発した次世代冷凍真鯛について、「フローズンフィッシュ“コク旨”体験キャンペーン」を開催。コクと旨味、食感を堪能できる厳選セットを、公式オンラインストアで6月24日より数量限定で販売する。
ラインアップは、「真鯛のお刺身」(1パック税込450円、3パック税込1350円)と、特別価格販売の「骨取り真鯛の切身(5パックセット)」(税込1500円 ※通常価格1700円)の2種類。
両社は、引き続き特殊冷凍真鯛の品質向上に努め、「冷凍だから美味しい」圧倒的高品質な特殊冷凍鮮魚の研究開発を推進していくという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス