埼玉県を中心に展開する住宅メーカー高砂建設は6月9日、2021年度省エネ大賞を受賞した「彩樹の家LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)×レジリエンス」シリーズを報道向けに公開した。Looopの「とくするソーラー蓄電池付きプラン」を導入し、自宅で電力が賄え、災害時にも蓄電池にためておいた電力を使えるという2つの安心を提供する。
彩樹の家LCCM×レジリエンスは、高気密、高断熱住宅を長年の手掛けている高砂建設と、電力小売事業や太陽光発電所システムを販売するLooopが共同開発したZEH普及のためのシステム。断熱性能の高い住宅と住宅向け太陽光発電システムのリースサービス、とくするソーラー 蓄電池付きプランを組み合わせることで、太陽光、蓄電池を初期費用ゼロで導入ができるため、今まで太陽光発電システムへの導入に積極的でなかったユーザー層にも訴求しやすいことが特徴だ。
「ZEH認定に至るには、断熱性能に加え、1次消費エネルギーの消費量を従来よりも20%以上削減する省エネ性能と、4~5kWの容量を持つ太陽光発電を搭載する創エネ性能を組み合わせなければならず、地域工務店である高砂建設ではハードルが高いと感じていた」(高砂建設 社長室広報課リーダーの吉松史章氏)と課題点を挙げる。
彩樹の家LCCM×レジリエンスでは、リースサービスの導入により初期コストゼロを実現。加えて独自の「太陽光発電搭載量算出プログラム」を開発することで、太陽光発電の搭載量目安を早い段階から算出。自由度の高い注文住宅においても、ZEHの導入をしやすくしたという。
太陽光発電搭載量算出プログラムは居室面積などを入力すると太陽光発電搭載量の目安が算出されるというもの。「計算プログラムはExcelで作られており、全国の工務店でも展開できるようになっている」(高砂建設 取締役設計部部長の小川尚信氏)とし、約3割にとどまっている地域工務店におけるZEH住宅の施工実績を今後増加させる可能性を秘める。
とくするソーラー蓄電池付きプランは、太陽光発電システム「Looop Solar」に新型蓄電池「エネブロック」を加え、家庭で発電した再生可能エネルギーを夜間にも使い、自家消費率を最大化することで、住宅の脱炭素化および電気代を削減できるサービス。リース契約期間は15年間で、「Looopでんき」への加入が必要になる。
Looop スマートライフ事業本部事業推進部部長の若林輝男氏は「太陽光発電による電気代削減はもちろん、コンパクトな蓄電池エネブロック、ハイブリッド給湯器を採用していることがポイント。電気とガス両方で給湯ができ、ガスは『エコジョーズ』よりも約85%、電気は『エコキュート』より約45%少なくできる。停電時でもガスで給湯ができるなど、もしものときの安心感も高い」と特徴を説明した。
リース期間終了後はユーザー側に無償譲渡されるため、15年以降は設備導入のメリットのみが受けられる。Looopでは、プラン適用なしの状態と比べ、光熱費の削減や売電収入を加味し、月額で光熱費の約10%相当の削減を見込む。
2021年夏から、ユーザーへの正式提案を始めているが、すでに34棟の受注に結びついているとのこと。今後は埼玉県以外地域にも積極的に広げていく計画だ。
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