大日本印刷(DNP)は6月6日、新しい文化の創造と人との交流につなげていく場として、インターネット上で「神田明神CG空間」を公開したと発表した。
神田神社公認のもと、関東大震災で被災した後の1934年(昭和9年)に再建された御神殿の構造や意匠も忠実に再現したという。
DNPは、自治体や施設管理者の公認を得ながら、現実(リアル)の街と並列で仮想(バーチャル)の街や施設を開発し、人々の体験価値を高めていく「XR(Extended Reality)コミュニケーション事業」を展開。東京都千代田区と千代田区観光協会の協力のもと、AKIBA観光協議会とともに秋葉原エリアのXRまちづくりを推進している。
その一環として、文化、芸術関連のデジタルアーカイブ事業で培った3D(3次元)レーザー計測技術や高精細撮影技術、多くのアングルで撮影した被写体のデジタル画像を統合して3DCGを作成する、DNPの“フォトグラメトリ技術”などを活用し、2030年(令和12年)に創建1300年の節目を迎える神田明神のCG空間を開発したという。
国登録有形文化財である御神殿を高精細CGで再現するとともに、神田明神資料館で開催するイベントと連動し、神田明神の歴史や浮世絵をはじめとした所蔵資料もデジタル仮想空間で発信する。
第1弾の企画として、6月4日から7月10日の期間、神田明神資料館で開催される「こうじょう雅之武人画師10周年記念特別展」の作品の一部を同CG空間で展示。国内外の人々へ、ウェブブラウザを通して神田明神の伝統と文化に触れる機会を提供する。
DNPは4月、千代田区秋葉原エリアの新しい価値創出を目指して、AKIBA観光協議会とともに開発した「バーチャル秋葉原」を公開している。今後は、バーチャル秋葉原と同CG空間とを連動させ、千代田区秋葉原エリアと神田明神を基点とした国内外へのコンテンツ発信と、XRを生かした多様なコミュニケーション施策を展開するという。
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