ソーシャルメディアではユーザー同士のやり取り、つまり自分が投稿した写真や動画への「いいね!」やコメントが重視される。自分の投稿に対して、たくさんの反応があると気分がいい。他者の反応は自分の投稿が持つ価値の証明だ。では、写真や動画が思ったような反応を得られなかったときはどうなるのか。自己評価がソーシャルメディアと結びついている人は、自分が期待した反応が得られないと気分が落ち込むかもしれない。
ソーシャルメディア上で自分と他者を比較することは、自尊心の低下を招くことがある。フィルターを使えば、肌は美しく整う。自撮り写真の背景に写っている海の色を魅力的なブルーに加工することも可能だ。ソーシャルメディアに投稿される加工済みの写真を現実と混同する人は、他者の生活に圧倒され、自分はだめだと感じてしまう。非現実的な身体や体型への憧れも、専門家が言うところの「身体の監視(body surveillance)」を引き起こす。この傾向は特に思春期の男女に強く表れ、自分の身体に批判的な目を向けるようになる。
2018年の調査では、回答者の70%が寝床に入ってから寝るまでの間にSNSを見ていると答えた。毎晩1時間以上、スマートフォンをいじっていると答えた人も15%に上った。身に覚えのある人は多いだろう。寝る前にフィードを確認することが夜の日課になっているのだ。
これは悪しき習慣だ。同じ調査では、寝床でソーシャルメディアをチェックしている人はそうではない人と比べて不眠になる可能性が高い傾向があることも分かった。寝床でソーシャルメディアを使っていると、眠りにつく時間が遅れ、結果として睡眠時間が減り、睡眠の質が下がる。
スマートフォンから出るブルーライトが体内時計を狂わせるという説もある。ソーシャルメディアで目にする情報自体も心身を刺激する。良い眠りを求めるなら、スマートフォンは脇に置いておくことだ。
ソーシャルメディアへの依存が本人の知らないうちに始まるように、ソーシャルメディアがもたらす悪影響もこっそりとしのびよる。次のような兆候に気付いたときは、ソーシャルメディアが自分のメンタルヘルスに悪影響を与えていないか確認しよう。
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