障害者インクルージョンを促進する非営利団体RespectAbilityでステートポリシー担当ディレクターを務めるWally Tablit氏によると、企業各社が出社再開とリモートワークのポリシーを明らかにしているが、重要なのは、各個人の希望はそれぞれ異なるということを理解することだという。
「『全員が出勤している。われわれは、障害者のニーズに留意している。障害者は一緒に働くことを望んでいる』などと言ってはいけない。やがて、『私には少し難しい。オフィスまで通勤するのに2時間半かかる。Zoom会議やバーチャル会議の方が、はるかに高い生産性を発揮できる』と声を上げる人が何人か出てくるだろう」(Tablit氏)
重要なのは、バーチャル空間にアクセスできるようにすることだけではない。対面スペースにもさまざまな配慮を施す必要がある。例えば、聴覚障害を持つ従業員がオフィスに来た場合、会議で字幕を利用できるようにする必要がある。
近年、ある程度進歩してはいるものの、デジタルアクセシビリティーと物理的なアクセシビリティーに関しては、まだまだ成長の余地が多く残されている。Simoneaux氏によると、人々は自宅からほとんど出ない生活を2年間送ってきたので、アクセシビリティーをまだ備えていない物理的空間について、誰もが考えてきたわけではないという。
「デジタル空間で多くの動きがある一方で、物理的な空間では、外出が再開し始めたところだ」とSimoneaux氏。「これが行き詰まるのを前に見たことがある。誰もが動き回れるように、物理的な要素に目を光らせ続けながら、皆でコミュニティーに復帰しよう」
アクセシビリティーの支持者たちは、社会がパンデミック後の世界へと移行する中で、アクセシビリティーに対する共感と関心が続くことを望んでいる。
ビジネスにおける障害者インクルージョンに取り組む非営利団体のDisability:INで最高アクセシビリティー責任者を務めるJeff Wissel氏は、「完全なアクセシビリティーを備えてはいない世界で、日常的にさまざまな状況に適応し続けなければならない障害者のことを考えてみてほしい」と話す。「私が望んでいるのは、障害者が長い間こうしたことを余儀なくされてきたという認識が、人々の実感によってアフターコロナの世界で広まることだ」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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