千葉大学発の医療スタートアップ企業であるSmart119は5月10日、救急情報システム「Smart119」に、正確な位置情報を3つの単語だけで伝達できる技術「what3words」を組み込むことで、119番通報者の居場所をピンポイントで特定する新機能の開発に着手したと発表した。
住所や目印がない場所でも119番通報者の位置特定が容易になる技術で、救急搬送の効率化を目指した実証実験においてテスト運用を開始する。
what3wordsは、地球を3m×3mの正方形に分割し、それぞれの正方形に3つの単語を組み合わせた「3ワードアドレス」を設定する。山間部や過疎地など、住所だけでは特定できない場所でも、3ワードアドレスを使えば、119番の発信者は助けを必要としている場所を正確に伝えられ、消防センターは現場に直接、消防隊を派遣できるようになる。
具体的には、救急指令センターへの119番通報の入電後、Smart119のシステムを経由して、通報者の携帯電話やスマートフォンに、SMS(ショートメールメッセージ)で位置情報確認のための専用URLを送信。通報者がそのURLにアクセスすると、通報者の位置を示す3つの単語が表示される。通報者がその3つの単語を通話で救急指令センターのオペレーターに伝達し、オペレーターが3つの単語をコンピューター上で入力すると位置情報が表示され、オペレーターが救急隊に出動を要請する流れだ。
what3wordsの位置情報システムとしての汎用性は高く、メルセデス・ベンツ、三菱、日立、ナビタイムなど、世界中の多くの公共機関や企業がwhat3wordsをサービスに組み込んでいるという。
Smart119に組み込むことで、119番通報の入電から救急隊の出場までの時間短縮が見込まれ、救命率の向上などの効果が期待できるとしている。
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