リコーは4月28日、同日開催された取締役会において、富士通の子会社であるPFUの普通株式の一部(発行済株式数の80%)を取得することを決議し、株式譲渡契約を締結したと発表した。この株式取得によって、PFUはリコーの連結子会社となる。
PFUは、ドキュメントスキャナー「ScanSnap」や業務用イメージスキャナ「fiシリーズ」、高性能キーボードの「Happy Hacking Keyboard(HHKB)シリーズ」などで知られる。
PFUの主力となるDI(ドキュメントイメージング)事業においては、さまざまな業種・業務の現場で行われる多様なスキャニングに対応するハードウェア/ソフトウェア関連の技術や業務課題解決に関するノウハウを有する。また、ICS(インフラカスタマーサービス)事業では、マルチクラウド環境の構築・運用サービスや、SOC(セキュリティオペレーションセンター)によるマネージドセキュリティサービスにおいて、国内有数の技術力・サポート力を強みとし、産業用コンピューターボードの国内市場においても大きなシェアを持つ。
リコーは、2021年度から2025年度までの5年間を「リコー飛躍」と位置づけ、OAメーカーからの脱皮とデジタルサービスの会社への変革に取り組んでいる。今回の子会社化は、その成長投資の一環となるものと位置づける。
今回の子会社化は、そうした中で(1)ドキュメントワークフロー変革を支援するリコーらしいデジタルサービスの展開、(2)国内におけるITマネジメントサービス機能の強化、(3)産業用コンピュータ事業でのシナジーによる安定収益の創出――の3点を目的としたもの。リコーとPFU両社の製品・サービスや技術・ノウハウ、さらには顧客基盤を活用して、さまざまな業種の現場におけるDXを加速したい考えだ。
リコーは、富士通が保有するPFUの発行済株式のうち、80%を7月1日に取得する予定という。また、リコーと富士通グループは、それぞれの目指す「デジタルサービスの会社/DX企業」を実現するために、両社の得意分野を補完・強化する、アライアンス関係の構築を目指すとしている。
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