デロイトトーマツグループ(デロイト)と一般社団法人at Will Workは4月19日、2020年より両者が共同で実施している「ワークスタイル変革実態調査」の2022年の調査結果を発表した。
この調査は、デロイトが2013年から2015年まで隔年で実施してきたワークスタイル実態調査を引き継いで実施しており、今回で5回目となる。調査対象は日本企業で、有効回答数は321社。
今回の調査は、過去2年間の新型コロナウイルス感染拡大による社会変化、加速したデジタル化の状況も踏まえ、DXの潮流におけるワークスタイルの取り組みや、コロナ禍を受けた企業の働き方のニューノーマルの検討状況、アフターコロナのワークスタイルについて調査分析を行い、課題およびその解決の方向性を明らかにすることを目的としている。
今回の調査では、ワークスタイルの変革を実施、または計画中と回答した企業は94%となった。前回調査(2020年)は89%で、ここ2年間で5ポイント上昇している。94%という値に対し、デロイトは「企業にとって必須の取り組みとなっている」とコメントしている。
ワークスタイル変革の目的として、「従業員満足度の向上、リテンション」がもっとも多く83%、次いで「多様な人材の維持獲得、D&Iの推進」が74%などとなった。前回調査と比較し、「コンプライアンス対応」が相対的に減少する一方で、環境変化により早急な対応が必要となった「仕事のあり方に関する変革」や、「生産性向上」といった主体的で本質的な目的を挙げる企業が増加した。
ワークスタイルの変革については、85%が何らかの効果を感じていると回答した。
目的別では全般的に「従業員満足度」や「D&I促進」などの項目ほど効果実感が高い傾向にあるが、ワークスタイル変革先行企業では「付加価値の向上」「イノベーション創出」といった生産性向上に関連する項目においても効果を実感している割合が高いという。
ワークスタイル変革については、在宅勤務や時差出勤など労働環境整備、長時間労働是正などの施策に取り組む企業が全体的に多いという。デロイトによると、ワークスタイル変革先行企業は、環境整備や風土改革のみならず、社員への能力開発機会の提供や副業の許可、および正社員以外の労働力の活用を実施検討する割合も全体に比べて高いという。
リモートでの勤務スタイルについては「今後は出社頻度を増やす」または「原則出社に戻す企業が増える」傾向にあるというが、デロイトは、ワークスタイル変革先行企業は現状もリモートワーク主体、ハイブリッドのスタイルが大半で、今後も大きく変わらないとの見解を示している。
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