フォースタートアップスは4月13日、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」において、2022年1月1日から3月31日までを対象とした「国内スタートアップ資金調達金額ランキング」を発表した。
それによると、先月のランキングと同様にソフトバンクロボティクスグループが1位にランクインした。また、2位のテラドローンをはじめ、ANA NEO、jinjer、Kyash、アキュリスファーマ、モジュラス、QunaSys、hacomonoの計8社が新規ランクインしている。
新規で2位にランクインしたテラドローンは、ドローン運行管理システム「Terra UTM」などを運営する企業。3月にシリーズBラウンドにおいて、三井物産、SBIインベストメント、東急不動産ホールディングス(SBIインベストメントがGPを務めるCVCを通じた出資)、九州電力送配電、西華産業などの新規投資家に加え、既存投資家のベンチャーラボインベストメントと海外交通・都市開発事業支援機構を引受先とする第三者割当増資により、総額80億円の資金調達を実施している。
調達した資金は、運航管理技術の開発、各事業成長資金、本活動を実現するための採用活動への投資に充てる方針。
新規4位のANA NEOは、ANAホールディングスの子会社。バーチャルトラベルプラットフォーム「SKY WHALE」を開発・運営している。
同社は、3月に全国の事業法人を引受先とする第三者割当増資および、南都銀行や三井住友銀行、大分銀行、京都信用金庫、京都中央信用金庫、トマト銀行、佐賀銀行、琉球銀行、大地みらい信用金庫によるメザニン出資並びにシンジケートローンを含む融資によって、総額45億円の資金調達を実施している。
ANAグループのネットワークを活用し、金融機関や行政機関などと地域の魅力を発信するコンテンツ開発で協働し、世界に先駆けたメタバースサービスの事業構築を加速させる方針だという。
なお、2月に登記簿から確認した10億円の資金調達を合わせ、総額55億円の資金調達を実施した。
8位から3位にランクアップしたSynspectiveは、小型SAR衛星の開発・運用と衛星による観測データを活用したソリューションサービスを提供する。
3月に、損害保険ジャパン、野村スパークス・インベストメント、Pavilion Capitalなどから、シリーズBラウンドによる第三者割当増資と融資で、119億円の資金調達を実施している。これにより、創業以来、累計228億円の資金調達を完了している。
今回調達した資金は、主に小型SAR衛星の開発・製造・打上・運用、量産施設の準備および、衛星データソリューションの開発とグローバル展開などに充て、更なる事業拡大を目指すという。
トップ20にランクインしている企業のうち、累計資金調達金額が100億円を超えている企業は、ソフトバンクロボティクスグループ、テラドローン、Synspective、Kyash、エリーパワー、ビットキーの6社となっている。
無料送金アプリ「Kyash」を運営するKyashは、3月に49億円のシリーズDラウンドの資金調達を実施。JPインベストメント、Block、Greyhound Capital、Altos Ventures、Goodwater Capital、StepStone Group、Yitu Capital、SMBC日興証券、三井住友海上キャピタル、AGキャピタル、ジャフコグループ、SMBCベンチャーキャピタル、W venturesのそれぞれが運営するファンドを引受先とした第三者割当増資であり、累計資金調達金額は129億3000万円に到達した。
3月31日時点で、3月における資金調達金額の中央値は約1億8994万円、平均値は約6億6818万円、資金調達金額合計金額は約561億2723万円。いずれも一部融資や社債での資金調達を含む。
同社では、4月12日時点での「国内スタートアップ評価額ランキング」も発表している。同ランキングは、登記簿情報に記載されている発行済みの顕在株、潜在株をもとに算出。また、子会社やINCJ主導で設立した企業、上場・上場予定企業は除外されている。
それによると、ジェネシスヘルスケアが20位に新規ランクインした。また、先月9位にランクインしていたGVEの評価額は1117億円から2245億円に大きく上昇し、2位にランクインしている。
他のランクイン企業の顔ぶれに変化はないものの、アストロスケールホールディングスの評価額が1000億円を超え、HIROTSUバイオサイエンスを上回る10位に浮上。これにより、企業評価額が1000億円を超える企業は11社となった。
2位のGVEは、中央銀行が発行するデジタル通貨の基盤となる、安全性の高い「EXC技術」を使用したキャッシュレス決済システムの開発を行うスタートアップ。2021年3月から2022年1月にかけての新規の資金調達を登記簿で確認し、評価額が先月よりも1128億円上昇している。
新規ランクインしたジェネシスヘルスケアは、自宅でできる遺伝子検査キット「GeneLife」を提供するスタートアップ。GeneLifeで遺伝子を調べることで、かかりやすい病気や肥満タイプ、肌タイプなどの体質や身体的特徴がわかるという。
これにより、自分に合った病気の予防方法、ダイエット方法やスキンケアの選択が可能となる。
評価額ランキング上位企業のうち、GVE、HIROTSUバイオサイエンス、ispaceの3社が先月よりも累計資金調達金額を伸ばしている。
GVEは、2021年3月から1月にかけて、3回の資金調達を登記簿で確認。累計資金調達金額は6億9000万円上昇しました。
HIROTSUバイオサイエンスは、2022年に2度の資金調達を新たに確認。累計資金調達金額が先月よりも4億1000万円増加している。
また、ispaceは過去の2021年10月における2億5000万円の資金調達と、2022年2月における新株予約権の行使を確認。累計資金調達金額は、先月の216億円から218億5000万円に増加している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」