観光特化デジタル通貨「ルーラコイン」、3エリアで実証成功--平均消費単価1万4900円

 ルーラは4月11日、ブロックチェーンを活用した日本初の観光特化型デジタル通貨「ルーラコイン」のサービスを全国規模に拡大すると発表した。2月5日~3月27日、有馬温泉、飯坂温泉、下田温泉の3エリア42の加盟店で実施した実証実験の成功を受けたものになるという。

 
 

 3エリアでの実証実験では、チャージ金額が1日平均7万5000円で推移し、累計400万円を突破。1人当たりの平均チャージ単価は1万5800円で推移し、消費件数は累計1000件を突破。1人当たりの平均消費単価は1万4900円と高単価で推移したとしている。

 加えて、エリアのいずれかに観光した人数が200人を超え、3エリア全てを観光した人数の割合は全体の12%という結果になったという。同一ユーザーを短期間に複数の観光地に送客できることが実証できたと結論付けている。

 なお、観光地の加盟店間の回遊施策が機能し、有馬温泉では1人あたり3.8店舗、下田温泉では1人あたり3.1店舗の回遊を実現したとしている。

 ルーラコインは、全国の観光地で使える日本初の観光に特化したデジタル通貨。全国で横断的に使えるデジタル通貨(1ルーラコイン=1円)とプレミアムポイント(キャンペーンごとに付与するボーナスポイント)の2つで構成する。地域で利用された決済金額の1%がその観光地に自動的に寄付される仕組みも搭載する。

 従来型の地域デジタル通貨が抱えている「限られた地域でしか使えない」「観光客があまり利用しない」という弱点を補うとともに全国規模のネットワークを持つ、新しいデジタル通貨かつQRコード決済サービスになると説明している。


 コインの購入や利用に関するトランザクションの管理には、ブロックチェーン技術を採用。ルーラコインでしか購入できないデジタルコンテンツの販売などの将来展開を見据え、各NFTサービスやマーケットプレイスで利用実績の多い「Polygon(MATIC)ネットワーク」を採用している。

 4月9日に山形県・小野川温泉が、4月10日に栃木県・塩原温泉、島根県・玉造温泉、鳥取県・三朝温泉が導入を開始。2022年以内に全国30カ所の観光地、温泉地でルーラコインの導入を予定しているという。

 ルーラは、2023年までに100カ所でのサービス提供を目指すとともに、加盟店ネットワークを基盤にした限定商品の販売や、その地域でしか購入できないデジタルコンテンツ(NFT)の提供、バーチャル上の経済圏での利用対応など、ウェブ3.0やデジタルツインを取り入れて幅広く展開していくとしている。


ルーラコイン専用商品の「有馬温泉 MITSUMORI CAFÉ × 温泉むすめコラボアクリルキーホルダー」

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