レノボ・ジャパン、ビデオ会議ソリューションのZoomを手がけるZVC Japan、サイボウズ、アステリアの4社は、初の緊急事態宣言発令から2年が経ったことを契機に、全国の20~60代のフルタイムで働く就業者2000名を対象に「これからの働き方を考える」というテーマで合同調査を実施し、結果を発表した。
調査参加者2000名にテレワークの実施状況を聴取したところ、「月平均で2回以上、テレワークで働いている」と回答した人は新型コロナウイルス流行前は7.1%だったのに対し、2020年から2021年の緊急事態宣言中には29.5%と上昇したという。2022年現在では、やや減少傾向が見られるものの、調査対象の約4分の1、25.8%がテレワークで働いているとの結果が出た。
テレワークの意向について聴取した項目では、調査参加者のうち41.7%が「テレワークを選択できる働き方をしたい」と回答した。テレワークできる職種でその内訳をみると、「テレワーク経験がある人」では実に7割以上が「テレワークを選択できる働き方をしたい」と回答した。一方で、これまでにテレワーク経験がない人の回答は32.5%で、テレワーク経験の有無でテレワークへの意向に大きな差が見られたという。
その一方、「テレワークできる職種だが、テレワークは導入されていない」と回答した人が8.9%いるという結果も明らかになった。
テレワークを利用しにくい、または利用できない理由としては「職場以外だと部屋・机・椅子など物理的環境が整っていない」「職場がテレワーク環境に設備投資できていない」というハード面と「社内・社外関係者とコミュニケーションがとりにくい」「テレワークの業務ルールが整っていない」というソフト面の2軸において課題が存在しているという。
、2022年現在のテレワーク実施率を企業規模別にみると、従業員数300名未満の企業(17.5%)、300~2999名の企業(29.1%)、3000名以上の企業(44.2%)と、企業規模が大きくなるにつれて、テレワークが実施されている現状が明らかになった。
テレワークできる職場に好感を持つ人は、従業員数300名未満の企業(36.6%)、300~2999名の企業(44.3%)、3000名以上の企業(53.1%)と、こちらも企業規模が大きくなるにつれて、テレワークができる職場への好意が上がっているという。これらの結果から、テレワークの実施率が低いとテレワークに懐疑的な意見が増える傾向が読み取れるとしている。
テレワークの普及に合わせて「オフィスの存在価値」についても、この2年間で見直された。調査対象となる会社員、団体職員1435名に対し、テレワークも選択できる働き方ができる場合の「働く場所」について尋ねたところ、約6割が「今後もオフィスはあった方が良い」と回答した。また、年代別にみてみると、「今後もオフィスはあった方が良い」と回答した20代が55.9%なのに対し、60代は69.6%と、13.7ポイントの差が見られた。以上の結果から、若者のオフィス離れの傾向が読み取れるとしている。
今後もオフィスがあった方がいいと思う理由としては、「業務に使用する機器がある」、「資料やデータを保管する」などが上位にあがっており、自宅や外部にはない事務効率を高めるためのシステムや機能がオフィスの存在価値を維持していることがわかったという。
調査参加者2000名に、「働く場所を選ばない職種、働き方になったら、どのようなことをしたいか」を質問したところ、「住まいを変えたい(23.6%)」「ワーケーションがしたい(21.8%)」「移住(海外移住、地方移住、Uターン)をしたい(21.7%)」「多拠点居住、二拠点生活がしたい(20.5%)」と、現在の生活から大きくライフスタイルを変化させたいと思っている人が約5人に1人以上がいることが分かった。
年代別でみてみると、住み替えやワーケーション、移住、多拠点居住のすべての項目においても、20代が6.9ポイントほど、平均より高く、若い人ほど、働き方の変化を望んでいることが明らかになった。
調査参加者2000名に「今後出社がなく全てテレワークで働くことになり、住むところを自由に選べるとしたら、どこで暮らしたいか」という質問をしたところ、第1位は「東京都(27.3%)」、次いで「神奈川県(19.1%)」、「北海道(16.6%)」という結果になった。
東京都や神奈川県を選んだ理由として、両者とも「交通の便が良いから(東京都:54.4%/神奈川県:42.5%)」、「買い物やショッピングに困らない(東京都:50.7%/神奈川県:40.9%)」、「いざとなったら職場に通える距離(東京都:26.7%/神奈川県:25.5%)」が上位にあがった。東京都を選択した人の内訳をみてみると、東京都在住が30.9%と最も多く、続いて神奈川県在住が15.2%、千葉県在住が10.7%となっており、大都市に隣接している県の在住者は、完全テレワークの場合でも大きな移動を好まない傾向があることが明らかになった。
また、「今後ワーケーションで働くことができるようになり、自由にワーケーション先を選べるとしたら、どこに行きたいか」という質問では、第1位は「北海道(27.0%)」、次いで「沖縄県(23.1%)」、「東京都(15.6%)」という結果になった。
「北海道」を選んだ理由としては、「(温泉、食事などで)リラックスしながら仕事ができそう(50.4%)」、「自然の近くで働けそう(41.1%)」で、「沖縄県」を選んだ理由としては、「気候がよさそう(41.8%)」「(スポーツ、アクティビティなどで)リフレッシュしながら仕事ができそう(37.9%)」が上位だった。また、第3位の「東京都」は「 ワークスペースやネット環境が整ってそう(25.7%)」、「 自分の家から行きやすい(20.6%)」など、都心ならではの魅力も理由として挙げられている。テレワークの場合は、現在のライフスタイルを基準により現実的な場所を選択している一方、ワーケーションに関しては特に観光地に求める要素を重視していることがわかった。
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