「Twitch」がゲーム以外の分野でも急成長、VTuberも存在感--アジア地域担当上級副社長に聞く - (page 2)

佐藤和也 (編集部)2022年04月08日 12時00分

VTuberは世界で見ても大きな存在感

――さまざまなジャンルで、日本は特有な市場と言われるところはありますが、ライブ配信市場やTwitchにおいてはいかがでしょうか。

 日本の配信者や視聴者の動向は、世界から見て異なる部分もあることはあるが、実際のところほとんど変わらないと言っていいと思います。そのなかでも、違うと言えるポイントは、3つ挙げられます。

 まずは、VTuberの存在で、日本では大きなトレンドになっているところ。次にFPSゲームが人気を集めているところ、そして雑談配信も人気であることです。

 VTuberに関して、日本はこのジャンルのトレンドリーダーにあると言えます。ただ、このことについて驚きはありません。日本では漫画やアニメといったキャラクター文化が根付いていますし、あわせてアイドル文化がもともとあることも大きいと考えています。VTuberは、デジタル時代の新たな有名人として認知されるようになってきてますし、もはや当たり前の存在と言えるでしょう。Twitchで活躍している日本の有名なVTuberとしてNyatasha Nyanners(ニャターシャ・ニャナーズ)さんやIronmouse(アイアンマウス)さん、MinyaSeptember(ミニャ セプテンバー)さんといった方々が挙げられると思います。

 FPSゲームについては日本でものすごく増えています。2021年ですと「Apex Legends」は日本において前年比153%に拡大、「VALORANT」は558%増と、驚異的に増えました。日本ではeスポーツが注目されるようになり、FPSタイトルの大会が行われていて、そこで認知度と人気が同時に拡大していたことが大きいと見ています。

 雑談配信は、2021年には日本において前年比234%と拡大しました。日本においては、ひとり暮らしの生活者が多いことが背景にあると思います。新型コロナの流行で家にいる時間が長くなっていること、雑談配信で深いやりとりができることは、この状況下での癒しになっているところが大きいと見ています。

「VTuber」のタグが用意され、配信が見つけやすくなっている
「VTuber」のタグが用意され、配信が見つけやすくなっている

――VTuberの存在は珍しいようにも思うのですが、諸外国の方からはどのように見られているのでしょうか。

 VTuberの登場は、とてもエキサイティングなものです。Twitchでは、2021年5月に、日本だけではなくグローバル向けとして、VTuberのタグを追加しました。どういうことかというと、それだけグローバルで見ても大きな存在であり、コミュニティからの要望も大きかったからです。私たちとしては、そのときに単に流行って人気があるから、そのトレンドをフォローしていこうという考えではなく、本当にコミュニティとして利用者が楽しめるものに対して、応えていきたいという姿勢でやってきました。

 VTuberは、特に日本でのトレンドとしてユニークな存在として見られていますが、今や米国やアルゼンチンをメインで活動しているVTuberの方も現れてますし、その活躍は目を見張るものがあります。

――今後に向けての取り組みについてお話しください。

 今後数年を見据えるなかで、Twitchが持つ強みには4つの柱があると思っています。「マネタイズ」「ツール」「ポリシー」「スタッフ」です。

 マネタイズについては、Twitchでの配信によって収益をあげたストリーマーの数は、2020年の時点で前年比2倍になってます。と同時に、ストリーマーがあげた収益の金額の総額も同じく前年比で2倍以上に増えています。マネタイズのモデルも、イノベーションを推進していきます。

 そのマネタイズを考えたときに、クリエーターがより収益を挙げるためには、ツールの重要性が極めて高いです。ライブ配信とチャットがサービスの要ですので、そのあたりのツールについてはもっと強化しいきますし、次の注力分野です。

 Twitchでは、独自の拡張機能を持っていまして、これを活用することでコミュニティとの視聴がよりインタラクティブなものになります。ほかにもグループ配信をはじめ、最近ではチャットにリプライを返せる機能なども追加しています。我々としては、ツールを常に改善して、コミュニティや視聴者とストリーマーの繋がりを強化していきます。

 ポリシーにも注力していきます。Twitchはストリーマーにとっても、コミュニティにとっても安心できる場所ということに、投資をし続けてます。その意味でも、ポリシーは継続的に進化していますし、透明性レポートもリリースしました。

 そして、ここまで挙げた3つのことを確実に遂行するためのスタッフについて、業界でも最高の人材を採用していきます。その人たちによってイノベーションを起こしてもらいたいですし、ここ1年においては、日本を含めたアジア地域での採用も活発に行っています。

 なにより、クリエーターのために最高のサービスを提供することが大切です。Twitchクリエイターキャンプには、Twitchに関してのノウハウやヒントが詰まっていて、ワンストップで知りたいことが詰め込まれています。こうしたクリエーターに向けたサポートの拡充もそうですし、それぞれの地域にあわせたイベントについても、クリエーターと一緒に考えて主催していきます。

――日本に向けた取り組みや施策は考えられていますか。

 日本に向けても、マーケティングキャンペーンやローカルイベントをもっと強化していきたいと思います。海外で展開していくなかで成功したと思えるものは、ツールであれイベントであれ、日本向けにもローカライズして展開していきたいと考えています。

 Twitchは英語圏が強いという印象がありますし、実際そうでした。ただ、日本でも海外に匹敵するストリーマーの方も育ってきています。SHAKAさんやStylishNoobさんは80万人近いフォロワーがいますし、ここ数年フォロワーの数が急成長している方々はいます。また、日本では「Twitch Rivals」という名前で、クリエーターやストリーマーの方が集う大会を主催したり、アジア地域などリージョンをまたぐ大会でも日本の方に参加していただいて、そこでの活躍を通じて知っていただくということもありました。

 今後も体制やサービスをより強化し、みなさんと一緒に成長していきたいと考えています。日本地域でもこれまでさまざまなサービス展開をしてきましたが、まだまだできることはあります。これからさらにワクワクできる未来を、一緒に築き上げることができればと思います。

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