LINEの暗号資産やブロックチェーン関連事業を展開するLVCは3月23日、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)の総合マーケットプレイス「LINE NFT」を4月13日から提供すると発表した。
LINE NFTでは、簡単な操作や決済方法でNFTの購入、ユーザー間での取引(二次流通)などが可能。LINEの暗号資産「LINK」のほか、「LINE Pay」を活用した日本円での決済にも対応する。
提供開始日の4月13日には、吉本興業やB.LEAGUE、スクウェア・エニックスなど計17コンテンツと連携し、エンターテインメント、スポーツ、ゲーム、アニメ、アーティスト、キャラクター、イベントの計7ジャンル、100種類以上のNFTを発売する。今後もソフトバンクやZホールディングスといったグループ企業と協業し、さまざまなNFT体験を提供するという。
月間9000万人が利用する「LINE」アプリから、誰でも簡単にNFTへアクセスできる環境を提供し、購入や取引の先にある「持つことによる楽しみ」を感じられる、「ウェブ3.0」への入口となる場を目指すとしている。
NFTは2021年から、人気のコンテンツを活用したトレーディングカードやアートなど、グローバルでの市場が拡大。LVC 代表取締役社長 CEOを務める林仁奎(イム インギュ)氏は、同日開催した「LINE NFT」戦略発表会で、「(グローバル市場は)2020年の74億円から2021年は1兆5400億円となり、209倍の成長を見せた」と説明した。
国内でも多くの企業がNFT事業に参入しているが、LVC ブロックチェーン事業部 事業部長を務める上遠野(かどの)大輔氏は、日本におけるNFTの普及には大きな課題があると指摘。「暗号資産の高額な手数料やウォレットの設定など、体験までに複雑な経路が必要。同時に、保有する価値や意味が十分に理解されていない」と話す。購入までのハードルの高さ、NFTへの理解度という課題を解消しうるサービスを提供すると説明した。
LINEは、2018年にブロックチェーン事業に参入し、ブロックチェーンに特化した専門組織「LINE Blockchain Lab」を設立。
独自開発のブロックチェーン「LINE Blockchain」で開発者が簡単にNFTなどのトークンを発行、サービスを構築できる環境や、独自の暗号資産となるLINK、LINEのアカウント1つでNFTなどのデジタルアセットを管理できるウォレット「LINE BITMAX Wallet」、LINE Blockchain基盤でNFTが取引できる「NFTマーケットβ」などを提供してきた。
林氏は、グローバルNFTエコシステム拡大のために2021年12月、米国と韓国に設立したLINE NEXTなどにも触れながら、「NFT事業に必要なパーツを国内外で揃えてきた。2022年上半期には、日本を除く180カ国、8言語に対応したNFTプラットフォーム『DOSI』を提供する。ゲーム、エンターテインメント、メタバース、アートといったサービス分野の26社とグローバルパートナーシップを締結し、NFT普及の推進、世界をリードする存在を目指す」と語った。
【3月31日18時00分訂正】
※当初NFTプラットフォーム「DOSI」は80言語対応と説明していましたが、正しくは8言語です。訂正してお詫び致します。
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