MITが4脚ロボットの動画公開--ロボットが苦手な駆け足走行をAIで実現

Greg Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年03月24日 07時30分

 米マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)が非常に高速で移動する四足歩行ロボットの新バージョンを公開した。4脚ロボットはここ数年、大きな注目を集めてきたが、意外なことに、ある平凡なスキルを獲得するのに苦労している。走ることだ。

figure_1
提供:MIT

 その理由は、現実世界の環境で走ることは、極めて複雑な動作であるからだ。高速で移動するため、ロボットが困難な状況(滑りやすい表面や物理的な障害物、起伏のある地形など)に直面した場合、体勢を立て直したり、適応したりする余地はほとんどない。さらに、走る動作の負荷により、ハードウェアのトルクと負荷は限界に達する。同研究所の博士課程の学生であるGabriel Margolisさんと人工知能および基本相互作用研究所(IAIFI)の博士研究員であるGe Yangさんは先頃、MIT Newsに以下のように語った。

 そのような状況では、ロボットの力学を解析的にモデル化するのは困難だ。ロボットは環境の変化(例えば、芝生の上を走っているときに氷に出くわした瞬間)に迅速に対応する必要がある。ロボットが歩いている場合は、動作がゆっくりなので、雪があっても通常は問題にならない。自分がゆっくりと注意深く歩いているところを想像してみてほしい。ほぼどんな地形でも移動できるはずだ。今日のロボットも同じような問題に直面している。問題なのは、どんな地形でもまるで氷の上を歩いているかのように進んでいくのは非常に効率が悪いにもかかわらず、今日のロボットではそれが広く行われている、ということだ。人間は芝生の上では速く走り、氷の上では速度を落とす。私たちは適応する。ロボットに同様の適応能力を与えるには、地形の変化を瞬時に特定し、即座に適応してロボットの転倒を防げるようにする必要がある。要約すると、考えられるすべての地形に対して、(人間によって設計された)分析モデルを事前に構築することは非現実的であり、ロボットの力学も速度とともに複雑さが増すので、高速で走ることは、歩くことよりも困難であるということだ。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]