CureAppは3月9日、自治医科大学内科学講座循環器内科学部門と共同研究を行なっていた高血圧症に対する「治療用アプリ」が、薬事・食品衛生審議会プログラム医療機器調査会において、薬事承認が了承されたと発表した。
2022年度診療報酬改定案で「プログラム医療機器等医学管理加算」の項目新設が了承されるなど、制度面での追い風もある中、初のソフトウェア単体での薬事承認了承事例になる。また、高血圧領域における治療用アプリの薬事承認の了承は世界初だという。
高血圧は、患者数が国内で約4300万人と多く、高血圧に関連する医療費は約1.8兆円にものぼるという。
また、高血圧は脳心血管病(脳卒中や心疾患)最大のリスク因子であり、高血圧に起因する脳心血管病死亡者数は年間約10万人と推定されている。しかし、継続的に治療を受けていると推測される患者数は1000万人程度であり、軽症段階での治療介入は十分ではない。また、約70%の患者が降圧目標未達成もしくは、未治療であるという。
治療効果の享受は、院外・在宅での早期かつ持続的な生活習慣の修正が重要とされているが、患者の価値観や意欲、職場・家庭環境などに左右されるため継続が難しく、医療機関による効果的な介入も困難という課題がある。
このような課題に対し、同治療アプリは個別に最適化された治療ガイダンス(IoT血圧計を用いた血圧モニタリングと生活習慣ログから最適化された食事、運動、睡眠などに関する知識や行動改善を働きかける情報)を患者へと自動で提供。
意識・行動変容を促し、患者の正しい生活習慣の獲得をサポートすることで、継続的な生活習慣の修正に対応できるほか、血圧低下または、高血圧の状態から脱するという治療効果が期待できるという。
医師側においても、生活習慣の修正の状況がアプリを通して確認できるようになり、診療の質の向上や継続的な生活習慣の修正が期待できるとしている。
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