Appleの329ドル(日本では税込3万9800円)の無印「iPad」が訴求力の高い製品であるのも、それと同じ理由だ。iPhone SEと同様、AppleのエントリーレベルのiPadはレトロなデザインを採用し、高価なハイエンドモデルが持つ機能の多くが搭載されていない。だが、汎用性の高いデバイスであり、価格に見合った堅実なパフォーマンスを提供する。
iPhone 12 miniと13 miniのユーザー層も分かりやすい。これらのデバイスのターゲットユーザーは、最新のiPhoneを手に入れたいが、小型のスマートフォン(2022年の今では選択肢が少ない)を好む人々だ。しかし、筆者が以前の記事で書いたように、標準のiPhoneとiPhone miniの価格差がそれほど大きくないため、iPhone miniは、AppleのiPhoneラインアップで明確なポジションを確立できていないのだと思う。機能が改善された新型iPhone SEが登場したことで、それが特に顕著になってしまった。
とはいえ、2022年のiPhone SEには、時代遅れに感じる部分や長期間使用するスマートフォンとしての魅力を下げてしまう要素がいくつかある。カメラレンズが1つしかないため、iPhone 12 miniや13 miniのように、2つ目の超広角レンズで風景をより広角で写真に収めることはできない。iPhone 12 miniと13 miniの自撮りカメラが12メガピクセルの解像度を備えるのに対し、iPhone SEの前面カメラは7メガピクセルだ。また、ミリ波5Gもサポートされない。ミリ波5Gとは、より高速の5Gのことで、一部の限られた地域でのみ利用できる。
しかし、新しいスマートフォンを購入するときに、こうした要素を考慮しない人もいるかもしれない。あるいは、数百ドルを節約するために、それらの妥協点を喜んで受け入れる人もいるかもしれない。それでも、ミリ波5Gのサポートや高解像度カメラなどの機能は、通信事業者がネットワークを拡大し、スマートフォンからのビデオ会議参加が続いていく中で、数年後には重要性が増している可能性もある。
2022年以降の製品計画を知っているのはAppleだけだ。だが、2022年モデルが発表される前に、別のiPhone SEに関するうわさがすでに流れていたことは、確かに今後の展開を物語っている。iPhone miniの将来が不透明であるように思えるのとは対照的だ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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