一方、Appleは2020会計年度第3四半期の決算発表で、スマートフォン事業が成長した要因としてiPhone SEを挙げている。iPhone SEは小型で低価格であるため、長い間同じデバイスを使っていた人に訴求したのだろう、と最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏は述べていた。
Appleが8日に発表した新モデルは、2020年の前モデルと非常によく似ているが、重要な改善点がいくつかある。新型iPhone SEは5Gをサポートし(この機能は、現在はそれほど重要ではないかもしれないが、通信事業者が引き続きネットワークを展開していくうえで、今後重要性が増していくだろう)、iPhone 13と同じチップを搭載する。Appleによると、バッテリー持続時間とカメラの性能も改善されているという。
うわさを信じるなら、Appleは早ければ2023年にもiPhone SEの次期モデルを発表する計画だ。アナリストのKuo氏や市場調査会社Display Supply Chain ConsultantsのCEOであるRoss Young氏の予想によると、より大きい画面を搭載するiPhone SEの新モデルが2023年に発売される可能性があるという。MacRumorsはそれらのうわさについて報じている。
アナリストの予想通りになった場合、大型化された5G対応iPhone SEは、iPhone 11に取って代わるモデルにもなりそうだ。価格に関して言えば、5Gがサポートされない499ドル(日本では税込6万1800円)のiPhone 11は、新型iPhone SEとiPhone 12 miniのちょうど中間に位置する。Appleが将来、より大型のiPhone SEを発売した場合、そのモデルで、iPhone 11や「iPhone XR」のようなモダンなデザインが採用される可能性もある。9to5Macによると、中国のウェブサイトMyDriversのリーク情報では、AppleがSEでこのようなデザインを実装する可能性がほのめかされていたという。ただし、その主張は2022年のiPhone SEに関するものであり、結局、誤りであることが判明した。2022年のiPhone SEでは、「iPhone 8」に着想を得たデザインが採用された。
もちろん、iPhone SEの最大の強みは価格だ。そのおかげで、iPhone SEのターゲット層は非常に分かりやすい。単純に、429ドルのiPhone SEは、1000ドル(約12万円)近くの大金を費やさずにiPhoneを手に入れたいと考えている人に向けられている。iPhone SEに興味のある人は、おそらく最先端のカメラやOLEDスクリーンのことはそれほど気にしていないはずだ。そうしたユーザー層は、信頼性が高く、使い慣れていて、すぐに時代遅れになることはないような新型スマートフォンを求めているだけだろう。Appleの最新のプロセッサーと5Gが追加されたことで、そうしたユーザーは間違いなく新型iPhone SEに魅力を感じるはずだ。
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