VRサービスの開発ソリューションを提供するHIKKYは3月8日、東日本旅客鉄道(JR東日本)、ジェイアール東日本企画(jeki)と共同で、バーチャル空間「Virtual AKIBA World」(VAW)を3月25日にオープンすると発表した。秋葉原駅やその周辺を再現したバーチャル空間を、スマートフォンなどから体験できる。
VAWは、JR東日本が掲げる、駅をつながるくらしのプラットフォームへと転換する「Beyond Stations構想」の一環として開発。HIKKYのVRコンテンツ開発エンジン「Vket Cloud」を活用している。
アプリをダウンロードせず、スマートフォン、PCなどのブラウザから手軽にアクセス可能。JR東日本の強みである駅や車両といったリアルの場から、バーチャル空間にQRコードなどを介してシームレスに遷移できる。改札を通過したり電車に乗ったり、秋葉原駅周辺を歩くなど、リアルとバーチャルが融合したかのような感覚が得られるという。
リアルの駅空間には、XRの世界観を体験できるスペースも造成。リアルとバーチャルの融合を加速、来訪者の往来を活性化させつつ、クライアントへバーチャル上での広告展開と販売機会を提供するという。例えば、リアル空間で出稿した駅広告がバーチャル空間でよりダイナミックに表現されたり、バーチャル空間で購入した商品がリアル空間でシームレスに受け取れたりするなど、JR東日本だからこそ実現できる、新しい日常の創造を目指す。
VAW内の機能も拡充し、限定入場券をNFT(非代替性トークン)で配布するほか、来訪者同士の交流の深度化やイベントの活性化も図る。将来的には、バーチャル空間内での買い物体験や、購入した商品を駅で受け取れるなど、リアルのサービスとの連動による体験の実現を目指すとしている。
期間中は、バーチャル秋葉原駅を山手線31番目の駅「シン・秋葉原駅」と位置づけ、日本を代表するヒーロー4作品によって構成された企画「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」(SJHU)とのコラボレーションも実施する。バーチャル空間上にVAWオリジナルデザインのグラフィックと各キャラクターが登場するという。
秋葉原駅1階改札内のエキナカスペースには、3月31日までの期間限定で「VAWゲートウェイ」を設置する。中央のLEDパネルには、VAWの期待感を醸成する動画が流れ、横に設置したQRコードブロックからVAWへとアクセスができるという。
また、入場者同士でのコミュニケーションができる空間「オフ会ルーム」を、VAW内の機能として実装する。共通の話題で盛り上がれる仲間とルームを作成したり、オンライン飲み会の代わりとしてVAWで集合したりといった利用を想定する。
同社では、リアルとバーチャルを駅や車両という場でつなぐことで、バーチャルをより身近なものにし、人と人とのつながりをリアルとバーチャル双方で演出していくとしており、その一歩として、2021年に同社と資本・業務提携を発表しているNTTドコモと、連携した取り組みを開始する。
加えて、日本中央競馬会(JRA)、ビームス(BEAMS)などと連携した企画の実施も予定する。いずれも、VAW公式ホームページまたは、各企業のホームページにて詳細を発表するという。
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