ニューオータニ「コロナを言い訳にするのは終わり」--長期滞在と婚活2つの新事業を発表

加納恵 (編集部)2022年02月24日 17時07分

 ホテルニューオータニは2月24日、withコロナ時代における成長に向けた新たな取り組みとして、サービスアパートメントと結婚相談所の2つの新事業を発表した。それぞれパートナー企業の協力を得て、新たな収益の柱として育てていく考えだ。

サービスアパートメント室内のイメージ
サービスアパートメント室内のイメージ

 ニュー・オータニ 代表取締役総支配人の清水肇氏は「先日閉幕した『北京2022オリンピック競技大会』は、選手村含め非常に制限の多い中での日本選手の活躍を拝見し、私たちもいつまでもコロナを言い訳にして下を向いている状況は終わりにしなければいけないと思った。ホテル業の定義は宿泊、宴会、レストランのサービス。最近は事業を安定的に行うため不動産賃貸業にも進出している。ただこの事業の柱だけでは、安定した経営が厳しくなるのではないかと実感している。今回LuupとIBJという2つの強力なパートナーの力を借り、サービスアパートメントと婚礼相談事業を立ち上げられることになった。パートナーを得ることで、ワンストップかつシームレスなサービスの提供が可能となり、まさに今の時代にマッチしたサービスになると確信している」とコメントした。

 サービスアパートメント事業は、2021年夏に実施した長期連泊専用プラン「TOKYOCATION」の人気を受け、取り組む新規事業。都心のホテルに泊まる人は1〜2泊の短期滞在が中心だったが、TOKYOCATIONの提供を始めてから、6泊、30泊と連泊する人が2019年比で5倍に増えたという結果を受け、事業化に踏み切った。

 バスルームやキッチンなどの設備を整え、一部屋で完結するレジデンスとして提供する。第一期として4月1日から9月30日までを予定しており、予約開始は3月3日。スタンダードルーム(27平方メートル~)で6泊(15万円〜)、12泊(24万円〜)、30泊(36万円〜)、プレミアムルーム(77平方メートル~)を用意した「新江戸レジデンス」で、30泊(280万7100円〜)のプランも用意する。

 開業に先立ち3月1日には、電動キックボードなどのシェアリングサービスを手掛ける「Luup」と提携し、電動キックボードと電動アシスト自転車の配置スペースをホテル館内に設置。サービスアパートメント滞在者は無料で利用できるとしている。設置スペースは都内最大となる58台分を確保する。

「Luup」の電動キックボード
「Luup」の電動キックボード

 Luup 代表取締役社長兼CEOの岡井大輝氏は「Luupはモビリティ会社と思われていると思うが、私たちの最終目標は街中を駅前化するインフラづくり。駅から20〜30分離れてしまうと店舗の数も少なくなり、不便と感じてしまうような場所でも、電動キックボードなどを利用してもらうことで、便利な場所に10分程度いけるようにすることで、駅前に住むのと変わらない快適さを提供できる。同様のサービスを提供している会社もあるが、Luupの強みは全国で850を超えるポート数を持っていること。この規模で展開しているため、今回選んでもらえたのではないかと思っている。紀尾井町という好立地に都内最大規模となるポートを設置させてもらうことで、周辺のカフェやレストランはもちろん、もともと行く予定のなかった桜の名所などにも足を伸ばしてもらいたい」とした。

ニュー・オータニ 代表取締役総支配人の清水肇氏(左)とLuup 代表取締役社長兼CEOの岡井大輝氏(右)
ニュー・オータニ 代表取締役総支配人の清水肇氏(左)とLuup 代表取締役社長兼CEOの岡井大輝氏(右)

 一方、「コロナで大きな影響を受けた危機感から開業することにした」(ニュー・オータニ 執行役員マネージメントサービス部長の高山剛和氏)という結婚相談所「ホテルニューオータニ マリッジ コンシェルジュ」は、日本結婚相談所連盟(IBJ)と手を組む。

 ニューオータニでは5万組以上の結婚式をサポートしてきたが、2020年度はこの売上が半減するなど大きな影響を受けたという。「披露宴は外部環境に左右されるが、ただ待つだけでいいのかと考えた。私たちホテル事業で培ったリソースを活用して婚活事業を開業することで、新郎新婦に寄り添ったお手伝いができると考えた」(高山氏)と、事業開始の背景を話す。

 結婚相談所では、IBJが持つ会員基盤を活用し、お見合いの機会を増やしていくとのこと。お見合いの場所としてラウンジやレストランを活用するほか、結婚式での撮影とともにお見合い時の人物写真撮影なども請け負う。開業は3月1日。

 「マッチングして終わりではなく、プロポーズやご両家の顔合わせなど、婚約までをサポートすることが私たちの特徴。ホテルの本業にも貢献できる」とIBJ 代表取締役社長の石坂茂氏は提携の重要性を話した。

 新規事業開始を受け、清水氏は「今回始める新規事業は現時点では100%満足してもらえる内容ではないと思う。私たちはさらに進化を続けないといけない」とコメントした。

ニュー・オータニ 代表取締役総支配人の清水肇氏(左)とIBJ 代表取締役社長の石坂茂氏(右)。中央はマリッジコンシェルジュスタッフ
ニュー・オータニ 代表取締役総支配人の清水肇氏(左)とIBJ 代表取締役社長の石坂茂氏(右)。中央はマリッジコンシェルジュスタッフ

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