アマゾンジャパンとヤマダホールディングスは2月17日、両社の全面的な協力に基づき開発した「FUNAI Fire TVスマートテレビ」を発表した。32インチ、43インチ、50インチ、55インチの計4機種を用意し、税込価格は5万4780円から。
メディアストリーミング機器「Amazon Fire TV」搭載のスマートテレビを日本国内で初めて、ヤマダHDグループが独占販売権を有する「FUNAI」ブランドで展開する。
FUNAI Fire TVスマートテレビは、HD液晶テレビ1機種、4K液晶テレビ3機種の計4機種をラインアップする。HD液晶テレビは4月末から販売・出荷する。4K液晶テレビは同日から「Amazon.co.jp」で予約販売を開始し、3月5日から順次、全国のヤマダHDグループの店舗と「ヤマダウェブコム」で販売・出荷する。
発表にあわせた説明会では、ヤマダHD 取締役兼執行役員を務める村澤圧司氏が、「両社が並んでいる姿に違和感があるかもしれない」と前置きしつつ、共同での製品開発に至った経緯を説明。
「VODやストリーミングといったさまざまなアプリケーションにより、テレビの活用方法が“単純に番組を視聴する”というものから変わってきている。テレビを見るだけでなく、(テレビを見る際の全体の)環境づくりを考えているヤマダとストリーミング技術を持つアマゾン、また、実際に全国に店舗を構えてテレビを体感できる場を持つヤマダとネットでいつでも気軽に買える環境を持つアマゾンという組み合わせは、非常に合理的」と語った。
FUNAI Fire TVスマートテレビでは、地上波、BS、CS、4Kといった各種放送でリアルタイムに配信する番組を視聴できる。また、Fire TVの機能により、「Amazon Prime Video」「YouTube」「Netflix」「Hulu」「TVer」「ディズニープラス」「ABEMA」「DAZN」といったストリーミングサービスを視聴できる。
そのほか、音楽配信サービス「Amazon Music」や、料理、買い物などのさまざまなアプリを用意しつつ、テレビ放送を含めたコンテンツを同一画面に表示。ユーザーはその時の気分や目的に合わせ、直観的に操作できるという。
ユーザーごとのプロフィールは、最大6人分を作成可能。家族それぞれが見ていたコンテンツの続きを簡単に再生したり、チャンネルをお気に入りに登録したり、ウォッチリストに登録したりできる。
アマゾンジャパン Fire TV 事業部長を務める西端明彦氏は、「テレビ番組もネット動画もホーム画面にまとめて表示できる。シンプルなユーザーインターフェースで直感的に操作できるところ、一人一人に合わせたカスタマイズができるところなどにこだわっている」と説明した。
購入後の視聴準備は、テレビに電源ケーブルとアンテナ線につなぎ、画面に表示される指示に従いWi-Fiに接続、「Amazonアカウント」の入力で完了する。外付けハードディスクを取り付ければ、地上波、BS、CS、4Kの放送番組の録画、視聴もできるとしている。
「F140」シリーズとして展開するHD液晶テレビは、32インチ「FL-32HF140」の1種類。解像度は1366×768で、サイズが約高さ44.4cm×幅73.4cm×奥行き9.2cm、重さが5.7kg。税込価格は5万4780円。
「F340」シリーズとして展開する4K液晶テレビは、43、50、55インチの3種類で、解像度はいずれも3840x2160。サイズは、43インチの「FL-43UF340」の約高さ56.4cm×幅96.9cm×奥行き9.7cm、重さが8.1kg。50インチの「FL-50UF340」は、約高さ65.0cm×幅112.2cm×奥行き9.7cm、重さが10.2kg。55インチの「FL-55UF340」は、約高さ71.6cm×幅123.7cm×奥行き9.7cm、重さが11.6kg。
税込価格は、43インチが10万9780円、50インチが12万780円、55インチが14万2780円。なお、4Kテレビ3機種は発売を記念して、3月4日23時59分までに、Amazon.co.jpのヤマダデンキで予約注文すると特別価格で購入できる。特別価格は、43インチが7万6780円、50インチが8万7780円、55インチが10万9780円。
ここからは同日開催された、ヤマダHD、アマゾンの説明会での登壇者のコメントを追記する。
ヤマダHDの代表取締役会長 兼 社長 CEOを務める山田昇氏は、「いかに顧客に満足してもらえるかという切り口から、今回の製品は我々のコンセプトの実現に待望の製品。ネットや店舗、あるいはコンテンツ、サービス、物流といった部分へと(協業を)発展させるという意味で、今回の商品開発は大きな意味がある」と、今回の協業を歓迎した。
アマゾンジャパンで社長を務めるJasper Cheung氏は、顧客を第一とする企業同士の協業で、新しい暮らし方、生活様式を提案できると補足した。「家の中での存在が大きいテレビに、(Fire TVで提供する)従来のストリーミングに加えて地上波、BS、CS、録画したものなど、全てのコンテンツが統合可能となった。生活の便利さをさらに伸ばすことができる」と説明。また、「(ヤマダと共同で展開することで)単に商品を作るだけでなく、顧客へしっかりと提案し、体験を提供できることも大きい」と加えた。
説明会では、船井電機で取締役 常務執行役員を務める足立元美氏も登壇。「国内で最大の実店舗を持ち、テレビだけでなく暮らし丸ごとを提案するヤマダと独占販売契約を結び、顧客本位のテレビを共同で開発、高品質かつ魅力的な価格で提供してきた。今後はアマゾンのテクノロジーとエンターテイメントの体験を加えることが可能となり、より顧客本位の商品を開発できる」と語った。
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