英Raspberry Pi財団は、64ビット版「Raspberry Pi OS」のベータ公開から約1年半を経て、安定版をリリースした。
同財団は2020年5月、「Raspberry Pi 4」の8GBモデルを発表するとともに、「Debian」ベースの64ビット版Raspberry Pi OSベータを公開した。
64ビットプロセッサーを初めて搭載したモデルは「Raspberry Pi 3」だったので、その2016年のリリースから64ビットOSを実行できるようになってはいたが、同財団は2011年までさかのぼるデバイス間で互換性を確保するため、32ビットOS(当時の名称は「Raspbian」)を使い続けていた。
Raspberry Pi財団でソフトウェア開発を統括するGordon Hollingworth氏は次のように述べている。「われわれはこの1年間、誉れ高い64ビットでRaspberry Pi OSのベータを試用してきた。このほど、それをより多くのユーザーに開放するときが来た」
同氏は、32ビットOSではなく64ビットOSを選択した決定の背景として、アプリケーションの互換性が「主な懸念事項」だったと述べている。
同氏はDebian/Raspbianのarmhf移植版について、「多くのクローズドソースアプリケーションはarm64にしか対応しておらず、オープンソースアプリケーションはarmhf移植版に完全に最適化されていない」と説明した。
なお、デフォルトでインストールされる64ビット版の「Chromium」には「WidevineCDM」ライブラリーがないため、「Netflix」や「Disney+」のストリーミングはできないという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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