スマートフォンは、前面のほぼすべてをディスプレイとタッチパネルが占めていて、操作の自由度が高い。表示するUIを変えられるので、状況に合わせて適したUIを提供できる。多種多様なアクセサリーを有線接続や無線接続でコントロールできる点も便利だ。
そんな利便性をさらに高めようと、AppleはスマートフォンのUIを装着したアクセサリーに合わせて変える技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間2月1日に「DYNAMIC USER INTERFACE SCHEMES FOR AN ELECTRONIC DEVICE BASED ON DETECTED ACCESSORY DEVICES」(特許番号「US 11,240,365 B1」)として登録された。出願日は2020年9月25日。
この特許は、ある種の電子デバイスと、そのデバイス用の保護ケースで構成されたシステムにおいて、ケースへ装着したかどうかに応じてデバイスの表示内容を変える技術を説明したもの。デバイスに大きな制約はないが、第2クレーム(請求項)でスマートフォンであると言及している。表示内容についても、第2クレームでアプリ用アイコンのグループや配色だとしている。
クレームには保護ケースとあるが、スマートフォンを装着可能な各種アクセサリーが想定されており、充電台やスピーカー、アームバンドなどが実施例で使われている。また、装着されているかどうかは、ケースなどのアクセサリー側に設けられる近距離無線通信(NFC)アンテナを検出して判別する。
こうした仕組みにすることで、装着するアクセサリーの種類に応じて、最適なUIをスマートフォンの画面に出せる。たとえば、スピーカーに装着すると音楽再生用UIを、アームバンドに装着すると走りながらでも操作しやすいよりシンプルな音楽再生用UIを表示する、という動作が可能だ。自動車のダッシュボードに装着するとナビ画面を、自転車のハンドルに取りつけるとフィットネス操作アプリを出す、というアイデアもある。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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